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身体を半分お湯に浸らせながら、霧咲は榛名のナカを指で少しずつ暴いていく。お湯と混じってグチュグチュと卑猥な水音が鳴り、その音が湯殿全体に反響するせいで榛名の興奮はますます高まってゆく。
「あっ……く、ぅっ……ぁんっ……」
「昨日の夜シたばかりだから、まだココ少しやわらかいね…」
「ひあぁっ」
榛名の耳に息を吹き込むように囁いてそのままグチュリと舌を突っ込むと、またびくびくっと敏感な身体が震えた。自分が何かをするたびに、背中に回された腕の力が無意識に強くなるのがとても愛しい、と霧咲は思う。榛名が気持ちいいと思うことを何でもしてやりたくなる。
彼を一目見た時から可愛いと思い、その愛しさはとどまるところを知らない。どうしてこんなにも榛名に惹かれるのか、自分でも不思議なくらいだった。
「も、挿れてぇ……旦那様の、欲しい……っ」
「まだだよ。やわらかくなっているとはいえ、君を絶対に傷つけたくはないからね、ちゃんとほぐさなきゃ」
「やぁっ」
(今はこんなに、優しいのに……)
指だけで感じて喘ぐ自分を見て、とても楽しそうではあるけれど――こんなにも、霧咲は優しいのに。でも大事なのは自分の身体だけなのだろうか?と思って榛名は悲しくなる。必死で霧咲にすがりつく腕の力が強くなったのは、気持ちいいからだけではなかった。
「挿れるよ……」
「あっ……きて、あっ、あぁ、ああ~~っっ!」
お湯と一緒にズブズブと霧咲の猛ったモノがゆっくりと胎内に入ってきて、榛名は歓喜の声をあげながら大きく背中をしならせた。霧咲は榛名の身体を抱えなおすと、激しい抽出を開始した。
先程よりももっと大きくなった水音が、榛名の耳と脳を同時に溶かしていく。
「はぁっ、きもちいい?榛名……!」
「いいっ……きもち、いっ!そこ、あ、あ、もっと突いてぇ……!」
「ここっ?ここがいいのっ!?」
「ひあぁっ!!そこぉっ……!」
(ああ、好き……旦那様が好き、離れたくないよ……)
「はぁっ、はっ、感じている君の顔はとてもきれいだ……!」
「あっ…あっ…も、いっちゃう、いく、いくぅ……っまえ、触って、ぇ」
「前って?どこ?」
この後に及んで意地悪なことを聞いてくる霧咲の背中にぎりりと爪を立てながら、榛名は羞恥も忘れて叫ぶように言った。
「だからぁっ、おれのおちんちん触って、いかせてよぉ!あっあんっ」
「ふふ、ベッドに移動したら後ろだけでイってみようか」
霧咲の言葉にコクコクと首を縦に振る。このまま湯殿でセックスを続けたら、のぼせて意識が飛びそうだからだ。
「ここ、まだ口で可愛がっていなかったね」
「あっあっちくび、なめちゃだめぇっ!そんな、一緒にされたらぁっ……!」
後孔には性器を突き立てられ、右手は身体を支えて左手で性器を扱かれ――その上、左の乳首をはむっと食まれてレロレロと舐められた。三か所を同時に攻められて、気持ちが良すぎて湯でのぼせる前に意識が飛びそうになった。
「あっあぁっ!!もうだめ、いく、いく、だめぇ、あ、あ!!」
「んっ、イっていいよ……俺にイくときの顔を見せて、榛名」
「いく、いく、出ちゃぅ……ひあぁぁっっ!!」
「くっ……!」
霧咲に導かれるまま、榛名は思い切り湯と霧咲の腹に精液を放って絶頂に達した。その時のナカの締め付けに耐えきれず、霧咲もほぼ同時に達していた。胎内にお湯よりも熱いものがほとばしったのを感じて、榛名は無意識にゆるやかな笑みを浮かべていた。
「あんっ……だんなさまのせーえき、あつい……すきぃ……」
「ハァ、ハァ、ん……俺が好きなの?それとも俺の精液が好きなの?」
「……どっちも……」
どっちも好き。たまらなく。
(このひとを、離したくない……)
霧咲の首の後ろに腕を回して、ギュッと抱きついた。
「本当に君って最高だな……可愛いよ、榛名」
「……んぅ……」
少し身体を離されて、本日初めてのキスが降ってきた。お互いに舌を出していやらしく絡ませあいながら唾液を啜ると、精液を浴びてドロドロになった二本の肉棒がまたむくむくと頭を擡げてきた。
「次はベッドでしようか、」
「ちゅぷっ、ふぅっ、ばんごはんは……?」
「君を食べたあとだ」
「全部入る……?」
「そりゃあ、入るさ」
「大食いなんですね……」
「美食家と言ってくれ、うちのコックの腕は一流だからね。勿論、一番美味しいのは君だ。……愛してるよ」
「………」
(嘘ばっかり……その場限りの出まかせじゃなくて、本心で俺を愛してよ……)
なんて大それたこと、一介の使用人である榛名が言えるはずもない。無意識に涙がこぼれそうになったが、霧咲には気付かれなかったようだ。
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