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第226話
「学校でめちゃ我慢して寮でまで気遣わなきゃならねぇってぜったい無理!」
想いを真っ直ぐに伝えてくる。
「瞬…」
「寮では恋人同士なんだ、好きな時に触れてキスして抱きたい…」
耳元で囁いて、口づけを仕掛ける。
「瞬…ちょ、ダメだって!」
腕で瞬助を引き離しながら止めるが…
構わず抱き寄せキスしてくる。
「コウジ…」
「っ、嫌、本当に…やめて!」
ぐいっと、身体を引き離し、強く拒否する。
「コウ、」
「っ…ふッ…ぅっ」
不意に瞳からポロポロと涙が溢れ落ちる。
「な、なんで泣くんだよ、コウジ…泣くなよ…」
そんな様子に慌てる瞬助、背中を撫でながら困惑する。
「僕は真剣に話してるのに…っ」
「コウジ…」
「僕、たちのことバレたら…僕はもう、瞬とは付き合えないし、一緒には居られない、そう思ってる」
「……」
「瞬助と別れたくないから…そうならないように考えて欲しいのに…全然、真剣に考えてくれないし…」
涙をぬぐいながら、ちゃんと聞いてほしいと訴える。
「僕、あんな恥ずかしいコエ聞かれてたことだけでも…すごくイヤだったのに…」
「…コウジ」
「僕の気持ち…ぜんぜん分かってないし…」
話しながら涙がまた溢れる。
「瞬のバカっ…」
「わ、悪かった…から、…泣くな…な、」
優しく抱き寄せ慰めながら、瞳を重ねて謝る。
「っ…」
「ごめん、ちゃんと考えるから…もうバレてもいいなんて言わない…」
頬を寄せ、安心させるよう言葉を紡ぐ。
「……ん、」
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