227 / 275
第227話
「俺、お前に泣かれるとすげー嫌なんだ…」
親指でそっと、零れた涙をぬぐいながら…
「…じゃ、どうしたらいいか考えてくれる?」
頷いて、しおらしい瞬助を窺う。
「あぁ…コウジはどうしたいんだよ」
「僕は…隣に聞こえてた以上…部屋でエッチは控えたほうがいいと思うけど…」
「うーん、コウジの部屋の隣の部屋は今使ってたっけ?」
「201は神崎と山根が使ってるよね…」
「じゃ、AV観てるってことにして…」
「仮にそう言い訳して、指摘されてるのに観るのやめないのはダメでしょ、仲里が迷惑に思ってるのは確かなんだから」
「うー、そっか…、俺としてはやっぱり毎晩コウジと愛し合いたいんだけどな…」
「毎日は…」
「風呂でするとか」
「お風呂場が絶対声漏れない保証ないし…」
「むー、じゃラブホ行くとか!」
「馬鹿、18才未満は行ったらだめなんだよ!」
「んなん、わかんねぇよ」
「ダメ!それにお金が勿体無いでしょ!」
「む…全然出来ないのは無理だからな…俺」
「…僕だって、それは…」
「え?」
「とにかく、仲里が気にならない程度にして…たぶん土日は実家帰るから…」
「お前が?」
「ううん、仲里、金曜の授業終わったら実家に帰ってるみたい」
「そうなのか!じゃ金土日は出来るな!ついでに土曜からゴールデンウィークだし!」
「…じゃ、平日は極力我慢してくれる?」
「うーん…俺らも実家帰るとかは?」
「瞬の家は親がいるんでしょ」
「あぁ、でも自分の部屋あるぜ」
「無理、そんなとこで出来ない、それに瞬の家は通える距離じゃないでしょ」
「ならお前んちは?」
「うちも兄キがいるからダメ!」
それに、美人なアキ兄に出来るだけ瞬を会わせたくないし…
ともだちにシェアしよう!