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《陸上大会予選で》

翌朝、琥珀寮202号室、瞬助の部屋のベッドの中。スヤスヤ仲良く眠る2人だが、先に目覚めたのは瞬助。 「……」 朝、目覚めたら傍らにコウジがいる。 その幸せをかみしめつつ、今日は陸上大会のため、早めに出発しなくてはいけない。 「コウジおはよう、行ってきまーす」 コウジを起こさないようそっと囁いて、こめかみにキスを落とし、先に寮を出る瞬助。 それから数十分後、コウジも目覚める。 「ふぅ」 2日ぶりに瞬助として、やや身体が怠いが、なんとか起き上がる。 瞬助の応援に行く約束をしているから、競技が始まる前に会場に着かないといけない、遅れたら後で面倒くさそうなのでちゃんと間に合うように行くつもりだ。 朝の支度をして、朝ごはんを食べて外出の準備を整える。 たくみは連休中は実家に帰っているので、一人で行動する。 5月初旬なので薄手のスポーティな動きやすい格好で外出。 会場に着くと、選手以外にも応援にきた人がたくさんいた。 瞬助に聞いていた場所に行ってみると、うちの学校の陸上部の生徒が集まって、準備体操などをしているところだった。 話しかけるのは目立つから、そのまま遠巻きに様子を見ていると、瞬助がこちらに気づく。 競技前のトレーニングウェア姿の瞬助。 軽く手を振って笑顔を向けてくるが、目立ちたくないため微妙な反応を返していると、近くのトイレを指差して呼んでくる。 トイレに来いってことかな… とりあえず指定されたトイレに向かうと、瞬助もやってきた。 「来てくれてサンキュー!」 軽く肩に触れボディタッチしてくる。 「うん、どこで応援すればいい?」 「予選第1組は9:30からだから、俺は予選第3組にまずでるから、えっと、競技場西2の入り口から入ってすぐ右のスタンドで応援してて」 「分かった、頑張ってね」 「その前に、ちょっと充電」 すると瞬助は、すっと抱き寄せ、長身を屈めて、口付けしてくる。 「瞬っ!?」 驚いているところへもう一度キス。 「誰もいないから大丈夫!」 そして爽やかイケメン顔で微笑んでくる。 「もう、」 そのキラキラ笑顔に弱くて、つい許してしまう。 「頑張るわ!じゃまた後で」 「うん」 瞬助に手を振って別れ、 指定された場所に移動して、スタンドに入って始まるのを待つ。

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