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第260話

とりあえず鏡を見ながら汚れた場所を確認する。量はそんなに多くはなかったけれど、勢いよくかけられたため、明るめの茶髪に黒く墨が絡み付いている。 下半身が濡れないようにシャワーを調節して髪と顔を洗っていく。 お湯だけでは微妙に墨が残ってしまう。 シャンプーを使い二度洗いして、ようやく取れてきた。 瞬助は、ネットの情報を見ながら、真剣に服についた墨汁を落としているようだ。 「瞬…」 少し反省してそうな瞬助に、今なら聞いてくれるかもと、浴室のドアを挟んで話しかけてみる。 「ん?」 「しばらく、学校では一緒に行動するのを控えた方がいいと思う」 「……」 「僕が、女の子たちに反感を買ってるのは確かだから」 若干、無言の嫌だという雰囲気は伝わってくるが、話し続ける。 「一人になって、逆に危なくないのか?」 「大丈夫、気をつけるし、学校ではたくみと行動するから」 「はぁ、分かった、幸いゴールデンウイークに入るし、怪我してしばらくは動けねーし、みんな、つーか女子に一緒にいるところを見られなきゃいいんだろ?」 「うん、寮出るときも別々にね」 「オッケー、お前になんかあったら嫌だからな」 「ありがと」 素直に聞いてくれてホッとする。 「本当は…」 「え?」 「四六時中そばにいてお前を守りたいって思ってるけど、」 「え…」 「でも、そんなことは無理だから、少し落ち着くまでは我慢する」 「うん、」 「大切な人が傷つけられるのって、すげー嫌な事なんだな…」 自分が守れなかったことも、知らない間にコウジが嫌な思いをしていたことも、そばに居られなかったことも、全部悔しくて仕方ない。 「瞬、」 「二度とコウジがこんな目に遭わないように、できるだけ気をつけるから」 「ん、ありがと」 瞬助の言葉に安心して返事を返す。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 お久しぶりの更新となってしまいましたが、覗いてくださる方、リアクションなどくださる皆様、本当にありがとうございます(*^ω^*) 年末のご挨拶を(^◇^;) つまんないものばかりお送りしてしまいましたが、今年も悠希乃諒の創作にお付き合い頂きありがとうございました。 年末のご挨拶はアトリエブログにもさせていただいています。♡ポチくださった方ありがとうございます(〃ω〃) ヘボ作者ですが、もし良かったら来年も覗きに来てやっていただけたら嬉しいです(*^▽^*) 皆さま良いお年をお迎えくださいませ♡ 令和元年12/31悠希乃諒。

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