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第263話
瞬助はベッドには横にならず、自分の勉強机の椅子に座る。
昼食は、病院受診やらなんやらしていて、寮の食堂の昼開館時間に間に合わなかったので、買い置きのパンで軽く済ませる。
その後、2人で宿題を始めながら、勉強机に向かっている瞬助に聞く。
「夜は食堂まで食べにいける?」
「大丈夫!食堂そんな遠くないし、捻挫だし」
「なら大丈夫だね、僕、明日は出かけるから」
本当は今日から出かける予定だったけれど…。
「ママとデート?」
コウジの言葉に、ややげんなりしてボヤく瞬助。
「デートじゃないって、でも母さんと二人だから心配いらないから」
他に会う人はいないことを伝えておく。
「デートだろ、俺とはデートしてくれないくせに」
「母さんと張り合ってどうするの、もう。」
ぶつぶつ言う瞬助に溜息をついて呆れるが…
「何時から行くんだ?」
「朝ごはん食べてから行くから9時過ぎかな」
「早っ、丸一日?」
「うん、大丈夫、ちゃんと夜には帰ってくるから。あ、途中電話して来ないでよ?」
「なんでー?」
「親子水入らずを邪魔するんじゃありません!」
「えー」
「ていうか、瞬は部活は?」
今週は日曜日も午前中は部活があった筈だから。
「一応、ミーティングと、リハビリスケジュール確認にいくつもり」
「怪我してるんだし、あんまり無理しないでね」
「おう、お前も行き帰り気を付けろよな」
今日みたいなことがあったらと思うから離れたくない瞬助だが、怪我もあるしついてはいけない、もう一度念を押す。
「うん、大丈夫、とりあえず勉強終わらせよ」
やっぱり心配しすぎだと思うけど、しばらくは仕方ないかな、と頷き話をやんわり変える。
「了解!」
瞬助も頷いて課題に手をつけ始める。
その後、課題も済ませ、夕食を食堂へ食べに行く2人。
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