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第3話

フイと顔をそむけるアキラ。 その横顔をみて深く溜息をつく。 アキラをみていると、嫌でも楠木家の遺伝子の呪いを思い知る。 ……代々、楠木家は、女児が生まれにくく、その生まれた男児は、外見が低身長女顔に育ってしまうという。 以前には、背の高い女性を妻にするとか予防策もしたらしいけど、効果はゼロ。 これを呪いと言わずなんと言う! 心の中で空しく思うコウジ。 「あ?何、人の顔見て溜息ついてんだよ」 怒り調子で聞くアキラ。 「別に…」 鞄を置き、アキラの隣へ少し間をあけ座るコウジ。 でも…これだけは、はっきり確信してる。 アキラは僕より女顔してるって事、髪も少し伸ばしてるし、女みたい。 でも口調とか全然、女らしくないから矛盾してる。 ま、兄貴が女っぽかったら、それこそ嫌だけどね。 けど…アキラは僕には考えられないバイトをしてる。 それだけは、理解できない。 それは自分を性商品のように売ってるバイト…アキラが何を考えて、そんなコトしてるのか…さっぱり分からない。 でも、よく考えてみると…アキラには、自分を守る力が無かったのかもしれない。 僕は、もの心つく前から武術を習わされてきた。 父には…『自分自身を守るために』と言われて…。

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