4 / 275

第4話

だけど何から自分を守るのか、その時は分からなかったけど、今なら分かる。 僕でさえ、何回か…そういう目に、同性から襲われそうになった事があるから… なら、僕より綺麗なアキラは、そういう目に遇わないハズがないから…。 ……現に、アキラをそういう場面から助けた事もあるし、生まれつき病気を抱えているアキラには、防ぎようがなかったのかもしれない。 まぁ、それもアキラの問題だし、必要以上に関わりを持つなとも父から言われてる… けど、この兄キを完全に無視なんて出来ない… 昔は、消えて無くなれとかホンキで思ってた時期もあったけど、今はとてもそんなコト思えない…。 同情心がないといったら嘘になるけど… ……僕にとっては、たったひとりの兄キだし、わがままでムカつくとこもたっくさん!あるけど…心配は心配。 (でも…この先、アキラが生きていて苦しむだけの状態になったら…アキラを楽にしてやれるのは僕しかいない…) 僕の心も矛盾してるよね。 「アキ兄、ルードくん帰ってきてないって事は、まだケンカ中?」 TVを観ているアキラに話かける。 「……」 無視するアキラ。 「ねぇ、アキ兄!」 しつこく呼びかけると、煩気に言い返してくる。 「……知るかよ、あんな奴」 「まーた、思ってもない事を…」

ともだちにシェアしよう!