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第4話
だけど何から自分を守るのか、その時は分からなかったけど、今なら分かる。
僕でさえ、何回か…そういう目に、同性から襲われそうになった事があるから…
なら、僕より綺麗なアキラは、そういう目に遇わないハズがないから…。
……現に、アキラをそういう場面から助けた事もあるし、生まれつき病気を抱えているアキラには、防ぎようがなかったのかもしれない。
まぁ、それもアキラの問題だし、必要以上に関わりを持つなとも父から言われてる…
けど、この兄キを完全に無視なんて出来ない…
昔は、消えて無くなれとかホンキで思ってた時期もあったけど、今はとてもそんなコト思えない…。
同情心がないといったら嘘になるけど…
……僕にとっては、たったひとりの兄キだし、わがままでムカつくとこもたっくさん!あるけど…心配は心配。
(でも…この先、アキラが生きていて苦しむだけの状態になったら…アキラを楽にしてやれるのは僕しかいない…)
僕の心も矛盾してるよね。
「アキ兄、ルードくん帰ってきてないって事は、まだケンカ中?」
TVを観ているアキラに話かける。
「……」
無視するアキラ。
「ねぇ、アキ兄!」
しつこく呼びかけると、煩気に言い返してくる。
「……知るかよ、あんな奴」
「まーた、思ってもない事を…」
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