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第8話
「……クラスメイトだよ、性格はいい奴だよ…成績もトップクラスだし、運動も出来て…人気者だよ」
ぽろぽろ説明する。
「ふぅん…」
何か意味を含んだ頷きをするアキラ。
「な、何っ!」
その意図を勘繰って問い返してしまう。
「ふぅん…で、写真とかないの?そいつの」
もう一度、意味深に頷き聞いてくる。
「ないよ、そんなの…あ、有る!研修の集合写真…今日貰ったんだった」
思い出してカバンから取り出す。
大版の写真。
スッとアキラは、写真を覗きに寄ってくる。
「どれ?」
「……」
無言で指差して教える。
「へーっ!こいつ?」
その姿を見て一人驚いている。
アキラは、写真の彼と僕を見比べながらやはり笑い調子で…
「うそっ…かなり美形じゃん、えーっ?」
信じられないという感じで言っている。
確かに、彼、幸田瞬助は、背も高いし…カッコイイ。
クラスで一、二位を争う美形男子なのだ。
入学当時から近くにいた僕は、その彼の女子からの人気ぶりを、見せつけられていた。
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