9 / 275
第9話
だから、彼の行動の理由が…ただ、僕がからかいの的になっただけなのかも、と思う。
そんな…僕の心の内など気付くハズなく、アキラは冗談感覚ですごいコトを言う。
「はぁ~、もったいねぇ、お前ヤらしてやれば~?」
「アキ兄ィ!僕は、兄キと違って男のプライドがあるの!!」
勢いよく怒ってしまう。
しかし、アキラは人ごとだと思ってからかい続ける。
「だいじょーぶ、痛いのは慣れるまでだから~、ははっ」
「っアキラ!そんなこと聞いてないでしょ!」
そう、怒鳴ると…。
アキラはニヤっと笑って、急に僕の腕を起用に払って…押し倒すカタチになる。
「わっ!」
油断していた僕もアキラの唇が触れると同時に、アキラの腹に蹴りを一発ドカッといれる…
「ッいっ…てェ、くぅ~効くッコウの蹴り…」
腹を抑え苦しんでいるアキラ…
自業自得だよ!
「なにすんのさ!アキ兄ィ!」
なんだかもう怒りを通り越して呆れてくる。
「いや…押し倒されるの嫌かなって思って」
ばかな問い…
「あたり前でしょ!っもう…、でも…」
フト思う。
「…でも、何?」
「ヘンな感じ、アキ兄相手だと、何も感じない…家族だから?安全ってわかってるから?」
疑問形になってしまう。
ともだちにシェアしよう!