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第10話
「っ、だよなー。お前の事、眼中にないんじゃなくて、ありすぎて手が出せないんだろーな…きっと」
アキラも同意をみせる。
「……家族って不思議…他人はもっと不思議」
ぽつりと呟いてみる。
「まぁな…」
その、僕の呟きに息つきながら答えるアキラ。
「僕、幸田からキスされたとき、最初はすっごく嫌な気分になったんだ。何考えてるの?とか思って…」
話はじめる僕を横目でみながら大人しく話を聞いているアキラ。
「僕って女の子でさえ友達として関わってきたのに、男友達からキスされるなんて…信じられないっていうか…」
言い詰まりながら僕は続ける。
「アキ兄はふざけてキスしたけどね…」
嫌みをこめて言ってみると…
「だってオマエからかいやすそーな顔してるんだよなぁ」
笑って答えてくる。
「からかわれるコッチは堪りませんよ、もぅ!まぁ…アキ兄はしょうがないで済むけど…アイツはね」
溜息をつく。
「……でも、フト考えてさ、こんな事するのも理由があるのかなぁって、少しだけ同情しちゃって」
「それで?どうしたんだ」
口を挟んでくるアキラ。
「でも、だからって、僕が従わなきゃならないって訳じゃないし…」
困った風に言って、詰まりながら…少し申し訳なさそうに続けて話す。
「…幸田、蹴っちゃったんだ…おもいっきり」
「あーあ、可哀相。そいつ何て言ったんだ?」
同情を顔に出して聞いてくる。
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