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第11話
「うん、『ごめん』って言ったっきり黙っちゃって…なんか罪悪感かんじたよ、別に嫌いじゃないから、悪い事しちゃったなって…」
「じゃ、それっきり、そいつと会ってないのか?」
アキラは、ふーんと頷きながら聞いてくる。
「まさか、学校で会うよ、さすがに2、3日は話さなかったけど…グループとかなる時は話すし、ちょっとぎこちないんだけど…それがまた変な噂のもとにっ」
手をぐーにして言う僕。
「そーゆう事か、でも…そいつ絶対コウに嫌われたと思ってるよ」
少し考えるように言うアキラ。
僕も改めて考えてみる。
いくら突然だったからって、いきなり蹴るなんて、僕ってかなり大人げない…ヒドイ奴だ。
「…うん、そうだろうね。酷いことしたのに、まだ謝ってないよ…僕」
少し気落ちする。
「…やっぱりさ、ちゃんと話合った方がいいと思うな…このままじゃ、この先長い付き合いなんだろ」
なんだか優しい口調なアキラ、そう助言してくれる。
「…うん、そうだね」
アキラを見て頷く…。
そして、決意をこめて続けて話す。
「…僕、明日は寮に帰ってみるよ。それで伝える…僕の気持ち」
「…ま、がんばれ」
軽く応援してくれるアキラ。
「アキ兄も、ルード君に八つ当たりせず、待ってなよ」
僕も軽く言い返してみる。
「ハイハイ、わかってますよ」
笑顔を向けるアキラ。
「じゃ、僕の部屋に戻るね、ありがと、アキ兄」
「おう、お互いさま」
アキラの答えに笑顔を向け、自室へと戻っていく。
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