11 / 275

第11話

「うん、『ごめん』って言ったっきり黙っちゃって…なんか罪悪感かんじたよ、別に嫌いじゃないから、悪い事しちゃったなって…」 「じゃ、それっきり、そいつと会ってないのか?」 アキラは、ふーんと頷きながら聞いてくる。 「まさか、学校で会うよ、さすがに2、3日は話さなかったけど…グループとかなる時は話すし、ちょっとぎこちないんだけど…それがまた変な噂のもとにっ」 手をぐーにして言う僕。 「そーゆう事か、でも…そいつ絶対コウに嫌われたと思ってるよ」 少し考えるように言うアキラ。 僕も改めて考えてみる。 いくら突然だったからって、いきなり蹴るなんて、僕ってかなり大人げない…ヒドイ奴だ。 「…うん、そうだろうね。酷いことしたのに、まだ謝ってないよ…僕」 少し気落ちする。 「…やっぱりさ、ちゃんと話合った方がいいと思うな…このままじゃ、この先長い付き合いなんだろ」 なんだか優しい口調なアキラ、そう助言してくれる。 「…うん、そうだね」 アキラを見て頷く…。 そして、決意をこめて続けて話す。 「…僕、明日は寮に帰ってみるよ。それで伝える…僕の気持ち」 「…ま、がんばれ」 軽く応援してくれるアキラ。 「アキ兄も、ルード君に八つ当たりせず、待ってなよ」 僕も軽く言い返してみる。 「ハイハイ、わかってますよ」 笑顔を向けるアキラ。 「じゃ、僕の部屋に戻るね、ありがと、アキ兄」 「おう、お互いさま」 アキラの答えに笑顔を向け、自室へと戻っていく。

ともだちにシェアしよう!