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第17話《キスのリユウ》

2月のはじめ… あれから早3ヵ月が過ぎた。 幸田と話し合って、友達としてこれからもいてくれるように話したつもりが…なぜか、キス承認の仲に…。 僕もはじめの頃は嫌々つきあってたキスだけど、最近は慣れてしまったというか…あまり嫌じゃなくなった。 だからって恋愛感情が生まれたってワケでもない… まぁ、こんな男ばかりの寮に居て、寂しさを紛らわすために幸田は、僕にキスを求めるんだろうな… と、勝手に解釈した。 僕が女顔なのも少しは悪いと思うし… ケド…仕方ないよね、生まれつきなんだから。 ほぼ、毎日のペースでおやすみのキスを求めやってくる幸田。 3ヵ月も続くと、もう日課になってきている。 そして今日も…。 「くすのき~入っていい?」 陽気な声でノックする幸田。 「幸田、どうぞ…課題やってるからジャマしないでね」 「OK~!くすのきっ」 いつものように部屋に入ってくる。 そして、机に向かって課題をしている僕を後ろから抱きしめてくる。 「ちょ…」 難色をしめして振り返る僕にキス…。 「もぅ、邪魔しないでって言ってるでしょ!」 さらに怒る僕にニコやかに話しかける。 「何?教えてやるよ、コタエ」 甘い囁き…。 「イイ、為にならないから…」 あっさり断る僕だけど…。 「そー言うなって、コレ、わかんねーの?じゃテキストページ教えてやるよ、P271、そこに載ってるぜ」 さらっと言う幸田をみて僕は… 「…ホント?」 問ってしまう。 「おう、先週習ったトコだろ?」 「う…」 そんなコト覚えてない。 やっぱ頭の出来が違う奴はムカツク。 でも、しっかり教えてもらったページを書きとめる僕。 意地きたないな…僕って。 「もっと俺に聞けばいいんだよ、工藤なんかに聞かずにさ…」 ぼそっと言う幸田…不満そうだ。 「頭イイ奴には聞きたくないの!」 私情も交えながら答える。

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