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第18話
僕の言葉に首をかしげ、幸田は…
「なんだよそれ…」
不機嫌な言い方だったけど、ほっておく。
すると、幸田は不意に僕のエリ元へ手を伸ばし…カッターシャツのボタンを早技で上からふたつ外してくる。
「何?」
その手を掴んで、行動を止めながら僕は聞く…。
一瞬、視線をそらす幸田だけど…、僕の瞳を覗きこみ聞いてくる。
「…くすのきって、本当に男?」
「ッ!」
その問いにはカッとなってしまう。
怒って無言で幸田の手を振り払う。
「だって、俺…くすのきの身体、生で見たことないからさぁ」
白々しく言う。
「バカ、更衣室、一緒でしょ。それにどこにコウジなんて名の女がいる?」
怒り半ば呆れながら言い返す僕。
「…でも、証拠見せてくれないと納得できない」
「は?」
「くすのきが男だってアカシみせてくれよ」
軽く微笑み言う。
幸田とトイレ一緒に行ったりしないけど…絶対わざと言ってる。
僕はからかってるような幸田の態度に腹が立って…。
「…いいかげんにしないと…殴るよ!」
拳を作って睨む。
「そんなに怒るなよ、ちょっと聞いてみただけだろ~?」
反省するでもなくそんな言い逃れをしている幸田。
「…聞いていいコトと悪いコトがある」
かなり冷たく言い返すと、幸田は少し考えて…。
「……ゴメン。だってなぁ」
軽く謝って続けて言い訳を言おうと頭を掻く…。
「くすのき…水泳の授業、一回もでないんだもんなー、楽しみにしてたのに~!」
そんな事を言い出す。
「う…、いつの話しをしてるの」
それに、楽しみにって何を?
「半年前!」
勢いつけて質問に答える。
半年も前のこと、ひっぱりださないでよ~もう。
「……」
返す言葉に詰まる僕。
実は僕はカナヅチ…全然泳げないのだ。
小一の時プールで溺れかけてから、プールが恐くなってしまって…。
でも…そんな事、水泳の得意な幸田に言ったら絶対からかわれそうで言えないし…
「た、体調が悪かったんだよ!それに、水泳の授業は一週間だけだったから、たまたまだよ!」
とりあえず、そういうコトにしておく僕。
「ちぇーっ、じゃ来年は出ろよ!」
もう次の夏の話を約束させようとする。
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