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第20話
「なんだよ、言えないのか!?工藤はお前の何なんだよ!」
なんか、かなり逆情してる幸田、僕とたくみの仲を疑ってる?
「はぁ、幸田…少し落ち着いてよ、たくみは僕の親友だって言ってるでしょう。幸田みたいに嫌なコトも言わないし、一番信頼してる友達だよ。みんながみんな幸田みたいな思考回路してないんだからね!」
溜息をついてしまう僕。
幸田と話してると疲れてくる。
「……」
なにやら黙り込む幸田…おしゃべりな奴だから、それも恐いような気がする。
本気で怒ったかな…?
様子を伺うように視線を向けると…鋭い目つきで睨み返してくる。
「な、何?」
その視線に押され聞いてしまう。
「くすのきってさぁ、SEXした事ある?」
驚くような低い声で、幸田は問う。
「な…っ」
いきなりの問いに声が詰まる。
そんなのあるわけない。
幸田は、またわざと…。
そう思って無視しようとすると…
「…俺はあるぜ、メチャ、イイ女と…」
その言葉を聞いて、もう一度幸田をみる僕。
かわらず刺すような瞳で僕を見ている幸田…
なぜか胸が押されるような感覚が走る。
「な、何が言いたいのさ!」
その剣気に負けないよう言い返す。
そんな自慢、僕になんで話す?意味が判らない。
「俺の誘いを断る女なんか一人もいなかった…」
淡々と話す幸田…。
「それが…初めてのヤツでも、喜んでバージンくれたよ!」
少し声を荒げながら攻撃的に言う。
結局何が言いたいのか…幸田は…。
(まさか…キスだけじゃなくて、求めてるのは…)
ドクン…と心臓が鳴る。
「なんで、お前はっ、思う通り…」
「っ絶対ダメ!」
続けて怒鳴る幸田を制して声を出す。
絶対アキ兄みたいにならない…
自分は…自分のプライドがあるから。
「……!なんで駄目なんだよ、別にいいだろっ!初めてでもないくせにッ」
「はぁ?」
何を根拠にそういう言葉が出るのか…、でも、今の言葉で彼の目的もはっきりした。
すっと近づこうとした幸田に、僕は椅子から立ち上がり…拳を構え睨みつける。
「……あ、そう。俺にそういう態度取るんだ…ふーん」
口元は笑っているけれど、瞳は笑っていない幸田。
意味深なその言い方に、心の奥で恐いと思ってしまう。
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