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第25話
「いや、お前が変だってことを話してたんだよ…」
驚いて困惑している僕の代わりにたくみが答える。
「俺が変~?何をいうんだこの天才様を捕まえて!」
なにやら奮起した感じで言う幸田。
それを見て僕はポツリ…。
「…幸田って二重人格?」
「…んなわけあるかよ!」
普通に返事がくる。
本当に幸田がわからなくなって、無言でみていると…
「なに?そんなに見つめて…」
軽く笑いながら顔を覗きこんでくる。
「っ!」
急な幸田のUP顔に驚いて過剰に反応してしまう僕。
キスされるのかと思った…。
そんなワケないのに…。
「…ふ」
その動きを見て僕の瞳を覗きこんだまま、ニヤっと笑う。
なんだか恐…。
「おい!…あまりコウジをからかうなよ!」
たくみが僕を庇うように幸田に言う。
幸田はいったん無表情になり、そしてクスっと笑って…
「ふーん、じゃ…コウジはダメだけど、オマエはいいんだ?からかっても」
「はぁ?」
間に入ってきたたくみの、メガネを外しながら幸田は突然言う。
たくみはあっけにとられた顔…
「なんでコンタクトにしないんだ?結構、美形じゃん…」
続けてたくみに向いそんな事を言っている。
「幸田ッ!いい加減にしなよ!」
そんな幸田に、怒り今度はたくみを庇う。
たくみのメガネを取り返して…
「行こう!たくみっ!」
幸田を無視してたくみの腕を引いて行く。
じっと立ちつくしている幸田。
しばらく歩いて、たくみがぽつりと話かけてきた。
「……幸田は、いつもコウジにあんな嫌がらせ…してたのか?」
「……、ごめんね。最近…幸田が変になったのは、多分…僕のセイなんだ」
少しの沈黙ののち…僕はたくみに謝る。
「なんでコウジが謝るんだよ…」
僕を気遣うたくみ。
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