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第26話
「たくみに迷惑かけてしまうかも…あいつが、何言ってきても相手にしちゃダメだよ?」
僕は…たくみに注意する。
「わかってるけど…コウジの方が大変だろ。幸田と同室なんだし…いくらコウジが強いからって、体格差だってあるし…」
やはり真剣に心配してくれる。
「…ありがと、でも僕は平気…今までだって…」
キス以上はさせてない。
僕の事は僕がなんとかしなきゃ…たくみまで迷惑かけてしまったし…
また状況が逆戻りになって…
僕は、寮には帰らずに自宅へ帰ることにした。
やっぱり…こういう事を相談できるのはアキ兄なんだよね。
たぶん…また茶化されるだろうけど…。
「…ただいま」
静かにリビングの戸を開く。
「ん?コウジ?」
視線を向けて名を呼ぶのは、ソファでテレビを見ていた今日も美人なアキラだ。
「ひさしぶり…アキ兄」
カバンを置きながら答える。
そこに声を聞いてキッチンから姿を見せる影。
「あーっコウジだっ!びっくり、どーしたの?」
すごく嬉しそうに迎えてくれる。
「久しぶり、ルード君、ちゃんと戻ってきてくれたんだ」
「うん、母さんも心配だけど…アキラもなんかほっておけなくてさ」
頭をかきながら笑うルード。
「おーい、どーゆうイミだよそれ?」
ルードの言葉に反応して言うアキラ。
「いいの、あ、今ね、ロールキャベツ作ってるんだ、コウジも食べるよね!」
にこにこして聞く…。
僕も微笑み返す。
「…ありがとう、もちろん食べるよ!」
「よーし、待っててねっ!」
僕の答えを聞いてさらにやる気をだしてキッチンへ入る。
それを見送って…僕はアキラの隣へと座る。
「アキ兄はいいね、ルード君と居れて」
ルードの笑顔を見るだけでなんだか和めるような気になる。
「…ダロ」
ニッと笑うアキラ。
「……」
しばし沈黙する僕。
「…何?何かあったのか?」
静かに聞いてくる。
「…うん。また行き詰って…」
僕も静かに答える。
「…例の幸田君?」
「…そう。なんかね、わからなくなって…」
首をかしげて…。
「ふーん…何が?」
テレビからは視線を外さず問ってくる。
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