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第27話
「…僕がどうしたらいいのか」
改めて聞かれると、何が一番分からないのか…とりあえず、ひと通り最近の出来事を話してみる。
「驚いたな…コウが、キス許すまでの奴なんだ幸田って…」
柔らかく笑い突っ込む。
僕は首をかしげるように答える。
「なんか流されちゃって…幸田の気持ちもハッキリしないし、ただ僕に興味もって…好奇心だけで言ってるのかも…」
ポソポソ小声で言う僕に…。
「コウは、じゃ…好奇心より本気で求められるのを望んでるんだな」
「えっ?」
「お前自身はどう思ってるワケ?その…幸田君のコト」
さして真剣でもない様子で答えてくれる。
「うん…友達として好きなんだけど、最近は…」
「最近?」
「…行動が読めなくて、嫌いかな…親友までからかうし。でも、そのせいで最近、幸田のことばかり考えてる気がする」
なんかワナにはまったって感じがしてきて呟く。
「ふーん…幸田君か、一回…できるトコまで付き合ってみたら?そいつに。…まぁコウは潔癖なとこあるから…すぐダメかもしれないけど、お前強いんだからイザとなったら逃げれるだろ?」
「そんな…」
困った表情をする僕。
アキラはこちらを見て…
「もしかしたら…お前、もうそいつのコト好きになってたりするんじゃねーの?」
そんな事を言う。
「っなんで!」
慌てて否定する。
「いつもそいつのコトが頭にあるってコトは精神的にはハメられてるってコトだし…向こうから距離をとってきたってのもポイントだよな…」
なんだか分かったように頷き僕を見つめるアキラ。
「どういうコト?」
首をかしげる。
「倦怠期ってあるだろ…倦怠期乗り越えると愛が深まるって言うじゃん。悩んだ方が負けてんだよね、たぶん…今までは何も感じなかったキスも、今度は違うんじゃないかな」
にっと笑って話す。
「そんなばかな…」
なんだか飛びすぎた話に、呆れて言葉をかえす。
恋人同士でもないのに、なんで倦怠期がでてくるのさ…
「ふ、わかんないよ~、まぁコウの好きなようにすればいいと思うぞ…」
「うん…」
考えるように頷く僕をみてアキラは…
「後悔しても仕方ないし…分からないんなら聞いてみれば?思いきって本人に真意を…お前、オレと違って世渡り上手だからなんとかなるって…」
そう優しく微笑んでいる。
「それは関係ないと思うけど…ねぇ、アキ兄は…はじめてされた時、恐くなかったの?」
アキラの瞳を覗きこんで聞いてみる。
「ん、恐いなんてもんじゃなかったなぁ…殺されるかと思った」
アキラは笑ったまま恐ろしいコトを言う。
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