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第36話《告白のユクエ》

放課後… 部活へ行くたくみを見送って…僕は寮へと帰る。 途中でやはり声をかけてくる人物。 「一緒に帰ろうぜ…くすのき」 「…幸田、部活は?」 普通に応答する僕。 「今日は休み、雨だし…走れない」 外を指さして言う幸田は陸上水泳部。 本当は水泳が得意らしいんだけど…冬は出来ないから短距離走ってるらしい。 「そっか…」 「…どうしたんだ?俺がいると嬉しくない?」 ふっと顔を覗きこみ聞いてくる。 「べっ別に…そんなことないけど…」 幸田のUP顔に、ちょっとドキッとして下がりながら答える。 「ふーん、早く部屋かえろう」 頷いて先へ進む幸田。 そして寮に帰ってきた二人。 「あー、疲れた疲れた」 などと言って伸びをしてる幸田を横目にみながら、僕は自分の部屋へと戻ろうとするけれど…。 「待てって、くすのき…」 ぐいっと腕を掴まれ壁に抑えられる。 少しの静寂…外の雨音だけが響いてくる。 幸田の手を払い除けようか迷いながら僕は聞く…。 「…な、何」 「まだ聞いてないぜ…」 微笑しながら囁く。 「なにを?」 「昼休み、工藤とどっかで話してたんだろ?何を話してたんだ?」 顔は笑っているけれど…どことなく真剣な瞳の幸田。 「あぁ…色々とね」 瞳を下げて答える僕をみて… 「色々って?…工藤に告白されなかったか?」 「は?なんでたくみが僕に告白しなきゃならないのさ…」 呆れる僕を見て… 「えっされてないのか?」 幸田は驚いてる。 「たくみは親友だよ?…ただ、僕が心配かけたり、したから…そのことで話をしてた…」 顔を上げて伝える。

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