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第38話
「お前…工藤をめちゃくちゃ庇うだろ?俺より頼ってるし…すげームカついて、で、昨日寮に帰って来なかったろ、その時確実に判った。お前が居ないと落ち着かない…、本気だって…」
僕に触れながら言う。
幸田の言葉に…告白に、頭の中が真っ白になる。
(本気…幸田の気持ち、どう受けとめていいんだろう…キス、嫌じゃない…それどころか…ドキドキしてる)
好きなのかな、幸田のこと。
黙ってると幸田は…耳元で…
「…俺の恋人に…なって?」
囁く…
「…幸田」
「…ううん、今日からコウジは俺の恋人だ」
訂正して幸田は断定的に言う。
「えっ…こ、幸田?」
ムリヤリに決める幸田に驚くけれど…
「しっ…俺のコト、シュンスケって呼んで?」
幸田は僕の唇を人さし指で抑えながら…瞳を覗いて、そう切り出す。
「…こ、幸田…」
「俺、答えはYESしか受つけない…いいよな…」
なんとも強引…だけど、幸田らしい。
一度まかせてみようか…幸田に。
僕が本当に好きになってるのか…今は判らないけど、こんなカッコいい幸田に好かれて…僕はラッキーなのかもしれない。
そう思いながら…
「…シュンスケ?」
そう、聞くように名前を呼んでみる僕。
すると幸田は、優しく微笑み…
「…ずっと名前で呼んでもらいたかった。工藤とお前が呼びあってるの聞く度…」
嫉妬してばかりだった自分…
平然としてるコウジに苛立って…
でも、と幸田は心で思って、指を首筋へ下げ…僕のカッターのボタンをスッと外してくる。
「こ、幸田ッ」
さすがに慌てる。
幸田に任せてみるとは思ったものの…いきなり身体を許せる僕じゃないし…
さすがに…僕だっていきなり先に進むのは恐い。
幸田の手を止めながら声を出すと…
「…名前、名前」
苗字で呼んだ事をひっかけて言う幸田…
「…シュン、スケ、あの僕は…」
言葉を出す僕に、そっと口づけをしてくる。
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