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第40話
「変じゃないって、すげー色白…細いよな」
こんななのに力強いんだもんな…。
「…気にしてるんだから」
コンプレックスに触れられると苦い思いになる。
「俺は好きだよ…可愛いコウジが、だから気にしなくていいんだ…」
そう囁いて指で…僕の胸突起へと触れ、もう片方を舌でなぞる幸田。
「ぁ…ちょ、っ…瞬っ」
くすぐったい感覚に身体を震わせてしまう。
チラっと瞳を合わせ…
「そういう顔も…めちゃくちゃ見たかった。焦らないから、これから見せてくれよな…」
そう色っぽく囁く。
僕は顔を耳まで赤くして…
「…はずかしい」
からかう幸田にいちいち反応を返してしまう自分が、むしょうに恥ずかしく思え呟く…
「…もっと恥ずかしいトコ見せてくれるんだよな」
「…バカ」
まだまだ先…
「…これから寮でいつもLove×2できるから嬉しいな」
ニコやかに言う。
「…瞬助」
溜息をつくと…
「いいよな!」
輝く瞳でやや強制的に頼んでくる。
これから…僕自身、不安なことばかりだけど…乗りかかった船だ、付き合ってみようかな…。
「…ハイ」
小さく頷く。
それを聞くと、幸田は再び抱きついてきて…唇にキス。
さらに舌で唇の内側を舐め、口腔内へ進入してくる。
「っん!?…ゃ、」
抵抗の言葉を言い口を開くとさらに塞ぐように深いキス。
口腔内を舌で舐められ吸われる初めての感覚…。
はじめは嫌な感覚が走ったけれど、次第にその感覚も嫌悪とは違う感覚に支配される。
なんだろ…嫌な筈なのに…
熱く口付けていた幸田が静かに唇を離す。
「…初ディープキスだな、そんなに嫌?」
微笑み聞いてくる。
「びっくりして…わかんないよ、焦らないっていったのに…」
怒ってみるけど…
「…だって可愛いし、慣れとかなきゃね!」
「…勝手」
「うん、俺だからな…好きだよ、コウジ」
そう言って僕を抱きしめる。
好き、か…
いつかはこうなる運命だったのかな…僕も…
心で想いながら…幸田に身を寄せる僕だった。
《告白のユクエ》終。
→《満たされない心》
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