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第49話
「朝、迎えに来てただろ!」
「あぁ、広井先輩のコト?同じ委員会で当番の相方になったから、それで来てくれるんだよ、琥珀寮に興味があるらしくて…」
「琥珀寮に興味?コウジにの間違いだろ!」
苛々した様子で言う瞬助。
「なに言ってるのさ、そんな訳ないでしょ!」
瞬助の馬鹿な言葉に呆れながら言い返す。
「なんでそう言い切れるんだよ!」
「ちょっと、瞬、ここ教室なんだけど…」
あまりに突っ掛かる瞬助に注意するが…
「話、そらすな!だいたいな、危機管理が甘いんだよ!」
「そんなの…瞬に言われたくないよ。しかも…僕たち別れたんだから関係ないでしょ!」
最後は小声で言うコウジ。
「だれがっ!」
かっとなる瞬助だが…
ガラッと教室の戸が開き教師が入ってくる。
「ちッ…」
瞬助は舌打ちして席に戻る。
授業中…
なんとなくイライラが続くコウジ…
なんで瞬にあんなに問いただされなきゃならない?瞬なんかもっと女子と仲良くしてるくせに、僕が先輩と話してただけで怒鳴りつけるなんて、たまんないよ。
でも、言っちゃったな…別れたんだから関係ないって…
つらい…
でも、もともと合わないと思ってたから…
瞬て、本当にカッコイイから…
勉強も出来て…スポーツも出来て、みんなを惹きつける魅力があって…
僕なんか、ほんと全然なにもない…
瞬助に並ぶものがなにもない…
そうだよ…僕なんかと、早く別れて瞬助の合う人と幸せになればいいんだ。
だいたい男同士ってことが無理があるんだから…
泣きそうになる心を抑え付けて、開き直ろうとするコウジ。
今更気がついても遅いけど…瞬のこと、本当に好きだったから…
隣にいるのが僕じゃなくても応援しなきゃ…
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