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第58話
「んー、お前自身の気持ちの問題だろ。その彼と別れてお前は平気なのか?」
「……わからない」
一応、別れたつもりだけど、今はこれでいいって意地になってるから…
「…まぁ、何かないと分かんねーかな、例えば彼がコウ以外の人と付き合い出したりしたら?」
そんな問いをなげかける。
「……瞬がそれで幸せなら、見てるのは辛いけど何もさせてあげれない僕といるよりは…」
男同士の壁ってやっぱ厚い…女の子に勝てるわけないもん。
「そっか、ま、迷ってんなら早めに気付くことが先決だよな…コウがどのくらい彼を必要としてるかを」
アキラは優しく頷いてそう伝えてくる。
「…うん、そうだね、アリガト。話し付き合ってくれて…ごめんね」
「いいって別に暇だしな…」
「うん…」
感謝しながら頷くコウジ。
すると……
「ま、半分興味本意だし」
にっ、と笑ってからかうアキラ。
「もう!」
「そんなに、悪いもんじゃないって…」
そう意味深に笑う。
「え…」
「SEX…」
ぽそっと耳打ち…
「アキ兄ィ…」
やっぱり面白がられているみたい…
「ま、がんばれよ!」
コウジの頭をくしゃっと撫でてエールを贈られる。
「はぁ…」
からかうアキラに、やれやれと苦笑いするけど…話しを聞いてくれたことにはホント感謝するのだった。
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