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第59話

翌朝…。 自宅から学校へ向かうコウジ。 昨日、瞬助には、一方的にお別れ宣言をして… 吹っ切る為にたくみにも心配かけちゃったし…もう、迷惑かけないようにしなきゃいけない。 瞬助とは話しづらいけれど…少しの間はぎくしゃくしても、そのうち忘れて、いつも通りになるはずだから… そんな気持ちを胸に登校する。 「おはよーたくみ!」 笑顔を見せ、たくみに挨拶する。 「あ、おはよう」 たくみも普通に返してくれるが… 不意に長身の人物が近づいて来て… 「コウジ…」 ちょっと不機嫌な様子で名前を呼んでくる。 「……瞬助」 今、1番会いたくない人物… 幸田瞬助… 「幸田…」 たくみもやや警戒した声を出す。 「話、あるんだけど…ちょっと来いよ!」 急にぶっきらぼうに言う。 「……何の?僕にはないよ。先生来るから早く席戻りなよ」 気まずくて、呼び出しを無視するコウジだが… 「いいから…今来い」 ぐいっと強引に腕を引く… 「ちょっ!」 驚いて顔をしかめるコウジ。 「やめろよ幸田!いい加減にしろッ」 たくみがコウジを庇うように割って入り瞬助に怒鳴る。 「たくみ!?」 コウジも驚くが… 「退けよ!邪魔なんだよ、工藤…」 瞬助はムカつき言い返す。 「これ以上コウジ苦しませたら俺が許さない…」 そう瞬助を睨みながら…コウジを庇う。

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