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第61話
「そっか…じゃ行こう」
コウジとたくみは昼食を取るため教室を離れる。
食事を済まして教室へ戻る際…
「おい!工藤、検査機を運んでる途中に落としちまって、調子が悪いみたいなんだ、見てくれよ!この間直してただろ、次の時間使うんだ、頼む!」
同級生がたくみを呼んでいる。
「え、あぁ、分かったよ…どこ?」
頷きながら言葉を返すたくみ。
「こっち、第二技術教室…」
「…コウジは?」
「行っておいでよ、僕は先に教室帰ってるから…」
「分かった、後でな!」
たくみを見送って、一人教室を目指す。
不意にトイレから出てきた人物にびくっとするコウジ。
「待てよ!」
無視していこうとすると…すぐ呼び止められる。
「…瞬助」
一番会いたくない瞬助だったから…
「あれ?工藤のヤツは?」
一緒にいるはずの人物がいないので聞いてくる。
「友達に呼ばれていったけど…」
「ま、邪魔者がいなくてせいせいするけど、とにかく話あるから来いよ…」
「なんで?話すことなんか僕にはないよ…」
二人きりになりたくなくて、はっきり拒否する。
「いいから来いよ!」
やはり強引に言う。
「なんで…」
そんな瞬助に顔をしかめる。
「ここで話していいんなら話すけど、俺、イラついてるから無神経なこと口走るかもしれねーぜ」
そう、ぶっきらぼうに言い返してくる。
「……わかった、場所移動する」
息をついて仕方なく頷く…
そうして誰もいない特別教室へ行き話しを聞くことになった。
移動中…黙ったままの二人。
雨の音だけが重く響いている…
瞬助は…教室についたとたん、待ちきれない様子で話はじめる。
「俺と別れるって本気で言ってる訳?」
身体全体でイライラをあらわしながら…
「そうだよ。ていうか、僕はもう別れたつもりだけど…」
落ち着いて言葉を返す。
「なんでだよ、俺は付き合ってて当たり前のことをしようとしただけだろ!それで何で別れなきゃならねーんだよ!」
かっとなる瞬助。
背が高いため、本気で怒鳴る瞬助はちょっと恐い…
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