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第67話
「貴方の気持ちを素直に伝えてみて、相手の気持ちも聞いてみたら?ちゃんと相手に伝わるように…カッとなることもあるだろうけど、そこで怒っちゃ…進まないし余計離れていくから…」
そっと助言してくれる。
「…そうだよな」
自分の手を見つめながら頷く。
「それにしても、私の可愛い瞬ちゃんをこんなに悩ますなんて、どんなに美人なコなんでしょうね」
やわらかく雰囲気を変えて先生は笑う。
「…美人つーか、小動物系…」
活発で感情表現豊で…笑った顔も怒った顔もすげーかわいくて…全然飽きない、ずっと腕におさめておきたいくらいで…
ただ…泣いた哀しい顔だけは、もう見たくなくて…
俺が守ってやりたいって思う唯一の奴だから…
そんなことを言ったら、本人は嫌がるだろうけど…
「ふふっかわいい系なのね、瞬ちゃんにしては珍しい…」
微笑み話す先生。
「そ、かな」
緩く首を傾げる。
「いつも綺麗なコじゃない、付き合うコ」
瞬助の瞳を覗いて言う。
「アイツは…見た目だけじゃないから…」
告白されて付き合う時は、見た目でしか選んでなかった…
けど…アイツは、一緒にいて安心するんだ。
見た目がどうこうじゃなくて…
「まぁ、本当にそのコが好きなのね…じゃ頑張らなきゃ」
雛鳥の巣立ちを見守るような感覚で応援する先生。
「うん、ありがとう。センセ…ごめんな、勝手に呼んどいて、なんもできなくて…」
頭をかきながら、それだけは謝る。
「いいのよ、私は瞬ちゃんにあんなコトやこんなコトまで教えた専属家庭教師なんだから…いつでも頼ってね」
瞬助を優しく抱き寄せながら許す美人先生。
「…うん」
そのまま服を着て、なにもせずにホテルを後にする二人。
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