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第70話《スキの理由》

翌朝、委員会の朝当番の日。 コウジは眠い目をこすり、なんとか起き出す。 学校へ行く準備を整えて、そろそろ先輩が迎えにくる時間なので…自分の部屋から出る。 さいわい瞬助はまだ出て来ていない…ほっとしたのもつかの間… ガチャと瞬助が部屋から出てきた。 もう部活に行く準備ができている。 「おはよ、今日も来るのか?」 広井先輩のことを差して言う瞬助。 「関係ないでしょ」 昨日の今日なので気まずくて冷たく返してしまう。 「関係…」 言い返してくる瞬助を割って… コンコンとノック… 「おーい楠木、起きてるか?」 外から先輩の声… 「はい!じゃ行くから…」 返事を返して行こうとするコウジだが… 「俺も行く…」 瞬助は決めていたかのように一緒に動く… 「え…なんで」 「部活だし、途中まで一緒に行けばいいだろ」 そう返してくる瞬助。 「……」 ついてくる瞬助をかわす言葉が思いつかないため、仕方なく一緒に出るコウジ。 「すみません先輩、お待たせしました…おはようございます」 「よ、おはようー、ってでかっ」 コウジの後について出てきた瞬助を見て驚いている先輩。 「あ、こいつ同室の…」 コウジが説明しようとするが… 「あぁ、幸田瞬助だろ、知ってる知ってる。有名だもんなオマエ…」 「…うっス」 笑顔も見せず淡泊に挨拶する瞬助。 「ウチのクラスの女子が騒いでるからな…確かにイイ男だ」 「さすがだよね…」 ちょっと嫌みを込めて呟くコウジ。 「何言ってんだよ、楠木だって有名なんだぜ」 「え…僕?」 「そうそう、入学当初からなぁ、女子より可愛い男子が入ったって…」 からかうように笑って言う広井先輩。 「かっ、先輩っ!」 可愛いといわれて、もぅ!と怒る。 「先輩、そうゆうことあんま言わないでやって欲しいんスけど、こいつ気にしてるんで…」 急に黙っていた瞬助がそんなことを言う。 「…え」 驚くコウジ。 瞬助だってよく僕のことをカワイーとか言ってるくせに… 「悪い悪い、ついな!そーだ、今度さ、俺の入ってる医療系サークルの集まりがあるんだよ、良かったら一緒に行ってみない?お前らが来てくれたら盛り上がるしさ、他校の女子とかも来るし…」 「悪いけど…そうゆう話、興味ないんで…」 瞬助はあっさり断っている。

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