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第77話

「コウジが好きだから…抱きたいんだっ!」 ぎゅっと抱きしめながら言う瞬助。 「…これが俺の本心。お前は、俺のコト…どう思ってる?お前の気持ち…確かめたことなかったよな…」 抱きしめた腕を緩め…屈んで顔を近づけ囁くように問う。 「……」 そんな雰囲気の瞬助にドキっとしてしまい…すぐには答えられないコウジ。 「俺な、色々考えて…それ全部話すから聞いてほしい…」 「…しゅんすけ」 「俺…小学生の頃から、割とモテる方で…告白とかよくされてた。初めて女子と付き合ったのは小5、初キスは中1、初体験は中2だった。でも、それは相手から告白されて…なんとなくタイプだったから…実際、自分から好きになったことなんかなかったんだ。俺もガキだったし、流されたところもあって…」 真剣に話はじめる。 「……」 「けど、お前は違う。お前には…俺から告白した。はじめて本気で好きになったんだ…」 真剣に瞳をそらさず伝える。 「…そりゃ、最初は軽い気持ちでキスとかしてたけど…自覚したら、キスだけじゃもの足らなくなって…抱きたいって、意識しだして…でも、お前…はじめてだし、俺だって男相手は初めてで…長い目でみようって、思ったけど…」 初めは確かにからかってた… それも隠さず伝えて…今の本気を、俺の気持ちを分からせたかった。 「……」 「…毎日顔あわせて、風呂上がりとか…寝起きとか…欲情するような場面にでくわしたら、たまんなくなって…何度も、我慢してたんだ…」 何度襲ってやろうか…って思ったか… コウジの態度はいつもそっけなくて… 余計イラついて… ぐっと手に力を入れ暫く黙る。 「…瞬」 そんな瞬助を驚きながら見るコウジ。 「…いいたくないけど、俺、お前で何度も抜いてる。隣の部屋にいるお前想像して…今までそんな想いなんか知らないから、一人でやるのってすげー惨めだし、やったあとお前の顔見んのも後ろめたかった…相手がいるのになんでって、情けなくなって…だからお前の変化をずっと待ってた…」 息をついて、自分の苦しみを伝える瞬助… 「…けど、お前…三ヶ月たっても全然変わらないし…それどころか広井ってヤツに懐いていきやがるし…俺だって…」 苦しげに顔を歪め想いを吐き出す。 「好きだから抱きたいって思ってるのに、お前には相手は誰でもいいみたいなこと言われて…あげく別れるとか、だからもう、やけになって女んとこ行った…」 どうにでもなれって… 「けど…やっぱ、出来なかった。だって俺が抱きたいのはお前なんだよ。俺が好きなのは、お前なんだコウジ」 好きなヤツを抱きたい…ただそれだけ… それが出来ないもどかしさ… 苦しくてツラくて… 「……瞬助」 「…だから、俺は…はっきり聞きたい。お前の気持ち」 いったん言葉を切って…視線を合わせて聞く。

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