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第88話
しかし…
しゅんすけは息をついて…
「お前、サイコーっ、ありえねぇよ…」
余韻をひきずり興奮したように言う。
コウジにぎゅっと抱き付きながら…そう伝える。
「えっ…」
「女なんかより全然イイ…癖になりそ…」
頬に口付けてさらに続ける。
「……っ」
その言葉を聞いて…
不安だった気持ちが一気に崩れ…安堵とともに、涙が溢れてくる。
「って、コウジ?そんなにツラかったか?わりぃ」
男相手ははじめてだけど、けっこうSEX自信あるんだけどなぁ…などとぼやきながらも慌てて言う。
「…っちが、」
ふるふると首を振る。
「…え?」
「違う…っぅ」
涙を飲み込みながら…言葉を紡ぐ…
「コウジ?」
「…よかった、っ」
本当に…
「え?」
「僕、っずっと、不安だった、から…、女の人の方がよかったって…思われたら、どうしようって…」
心の内をそっと伝えはじめる。
「…コウジ」
「…しゅんは、経験豊富だけど、僕は…SEXも知らないし、ちゃんと出来るのかも不安で…しゅんすけをがっかりさせるんじゃないかって…本当に恐かった」
俯きながら、ずっと不安だった気持ちを伝える。
「それで、俺と寝たくなかったのか?……馬鹿だな…」
呆れながらも、こっそり、そんな自分のことで悩むコウジも可愛いと思ってしまう。
「だって、しゅん、イイ女と寝たことあるって…そんなの聞かされたら誰だって不安になるよ…」
自然と反している行為…
女の子に勝てる自信なんてこれっぽっちもなかったんだから…
「関係ねぇよ…そんなの、コウジが好きだからヤりたかったし、実際めっちゃよかったし、好き同士でやるんだから、気持ちイイに決まってんだろ!」
瞬助は相変わらずの爽やか笑顔でなだめてくれる。
「しゅんすけ…」
カッコイイ瞬助と両想いになれてることが…今更ながら驚いてしまう。
安心したら急に現実みが押し寄せて来て…
明かりに照らされて…自分自身の恥ずかしい格好に気付いてしまう。
瞬助が割り込んできているため、両足を左右に開いた状態で瞬助の大腿に脚を乗せて、素っ裸な自分。
股を閉じようにも、未だ瞬助が挿入しているため身体が密着していて出来ない…
片手で前を隠しながら…恥ずかしさから、ツンとした口調で言うコウジ。
「…っていうか!いつまで…イれてる気!?」
「…だって、抜くの惜しいんだもんな、やっと繋がれたし…」
にこっといつもの瞬助らしい返答。
「な…っ早く離れてよ」
「いいだろー気持ちイイんだから…コウジのナカ、暖かくてすげぇドクドク言ってる…」
「ばかっ」
顔をあかくして怒る。
「めちゃ可愛いっ」
そんなトコもかわいく見えて…余計抜きたくなくなる。
「あ…なんか、ちょっと…!やだ、」
中にいる瞬助が…息を吹き返してくるのがリアルに伝わり…堪らず声を出す。
「ん?感じる?」
ニッと笑って囁く…
「ばかっ早く抜いて!」
中で圧迫感が…じんわり感じてきて、瞬助の肩を押して怒りながらいうが…
「せっかくだからこのまま第2ラウンドといこうぜ!」
コウジの両手を握るように拘束しながらキスを落として…まだまだ元気な瞬助はそう微笑む…
「えーっ…ちょ、しゅん!?」
驚くコウジだが、瞬助はお構いなしのマイペース…
「愛してるぜ!コウジ!」
優しく耳元で囁いて…
欲しくてたまらなかったコウジのすべてを、余すところなく愛し尽くしていく瞬助だった……。
《繋がりたい》終
→《新たな朝》へ続く。
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