88 / 275

第88話

しかし… しゅんすけは息をついて… 「お前、サイコーっ、ありえねぇよ…」 余韻をひきずり興奮したように言う。 コウジにぎゅっと抱き付きながら…そう伝える。 「えっ…」 「女なんかより全然イイ…癖になりそ…」 頬に口付けてさらに続ける。 「……っ」 その言葉を聞いて… 不安だった気持ちが一気に崩れ…安堵とともに、涙が溢れてくる。 「って、コウジ?そんなにツラかったか?わりぃ」 男相手ははじめてだけど、けっこうSEX自信あるんだけどなぁ…などとぼやきながらも慌てて言う。 「…っちが、」 ふるふると首を振る。 「…え?」 「違う…っぅ」 涙を飲み込みながら…言葉を紡ぐ… 「コウジ?」 「…よかった、っ」 本当に… 「え?」 「僕、っずっと、不安だった、から…、女の人の方がよかったって…思われたら、どうしようって…」 心の内をそっと伝えはじめる。 「…コウジ」 「…しゅんは、経験豊富だけど、僕は…SEXも知らないし、ちゃんと出来るのかも不安で…しゅんすけをがっかりさせるんじゃないかって…本当に恐かった」 俯きながら、ずっと不安だった気持ちを伝える。 「それで、俺と寝たくなかったのか?……馬鹿だな…」 呆れながらも、こっそり、そんな自分のことで悩むコウジも可愛いと思ってしまう。 「だって、しゅん、イイ女と寝たことあるって…そんなの聞かされたら誰だって不安になるよ…」 自然と反している行為… 女の子に勝てる自信なんてこれっぽっちもなかったんだから… 「関係ねぇよ…そんなの、コウジが好きだからヤりたかったし、実際めっちゃよかったし、好き同士でやるんだから、気持ちイイに決まってんだろ!」 瞬助は相変わらずの爽やか笑顔でなだめてくれる。 「しゅんすけ…」 カッコイイ瞬助と両想いになれてることが…今更ながら驚いてしまう。 安心したら急に現実みが押し寄せて来て… 明かりに照らされて…自分自身の恥ずかしい格好に気付いてしまう。 瞬助が割り込んできているため、両足を左右に開いた状態で瞬助の大腿に脚を乗せて、素っ裸な自分。 股を閉じようにも、未だ瞬助が挿入しているため身体が密着していて出来ない… 片手で前を隠しながら…恥ずかしさから、ツンとした口調で言うコウジ。 「…っていうか!いつまで…イれてる気!?」 「…だって、抜くの惜しいんだもんな、やっと繋がれたし…」 にこっといつもの瞬助らしい返答。 「な…っ早く離れてよ」 「いいだろー気持ちイイんだから…コウジのナカ、暖かくてすげぇドクドク言ってる…」 「ばかっ」 顔をあかくして怒る。 「めちゃ可愛いっ」 そんなトコもかわいく見えて…余計抜きたくなくなる。 「あ…なんか、ちょっと…!やだ、」 中にいる瞬助が…息を吹き返してくるのがリアルに伝わり…堪らず声を出す。 「ん?感じる?」 ニッと笑って囁く… 「ばかっ早く抜いて!」 中で圧迫感が…じんわり感じてきて、瞬助の肩を押して怒りながらいうが… 「せっかくだからこのまま第2ラウンドといこうぜ!」 コウジの両手を握るように拘束しながらキスを落として…まだまだ元気な瞬助はそう微笑む… 「えーっ…ちょ、しゅん!?」 驚くコウジだが、瞬助はお構いなしのマイペース… 「愛してるぜ!コウジ!」 優しく耳元で囁いて… 欲しくてたまらなかったコウジのすべてを、余すところなく愛し尽くしていく瞬助だった……。 《繋がりたい》終 →《新たな朝》へ続く。

ともだちにシェアしよう!