91 / 275

第91話

「コウジ…」 瞬助は、コウジの頬に片手を触れさせ… 瞳を重ね、そっと囁く… 「ちょ…本気?」 慌てて身体を引くコウジ… 「本気!」 そう爽やかにウインクする。 「待ってよ、ダメだってっ」 「なんでー」 子供っぽくふてたようにぼやき、顔をしかめる瞬助。 「だって、せめてトイレ行かせてよ…」 「何?うんち?」 「バカっ!ッ…」 瞬助を突き飛ばしてベッドから降りるが… 腰に違和感を感じてへたり込んでしまう。 「ってーな、って大丈夫かよ!?」 瞬助はすぐ心配して近づく… 「……腰が、」 「昨日のがヨ過ぎて腰が抜けたとか?」 そんなことを囁く瞬助。 「…!」 その無神経なヤツの顔を無言で殴ろうと拳をあげる… 「っ!顔はやめろ顔は!跡が目立つ!」 その拳を片手で止めながらそんなことをいう無駄に男前なヤツ。 「なら怒らせるようなこといわないでよね!」 ムカつきながら言い返す。 「別に聞いただけだろ~つか、マジ大丈夫か?痛い?」 「…痛みも少しあるけど、なんか腰が重いっていうか…違和感ある」 「昨日の影響だよな…やっぱやりすぎた?」 「…はじめてなのに容赦なかったよね…」 恨めしく言ってみるが… 「悪かったって、久しぶりだったし止まらなかったんだよ~お前エロいし…」 あまり反省はしていない様子で勝手な言い訳をしている。 「僕のせいにする気!?」 「いや、でもなぁ男同士って引き際難しくねぇ?」 「知らないよ!そんなのっ」 無理やり振り切るように立ち上がるコウジ… 「おい、大丈夫か?ついていこうか?」 「平気!」 そう言い残して瞬助の部屋を後にする。 「……、腰…」 1人残され…ぽつりと呟く瞬助。

ともだちにシェアしよう!