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第91話
「コウジ…」
瞬助は、コウジの頬に片手を触れさせ…
瞳を重ね、そっと囁く…
「ちょ…本気?」
慌てて身体を引くコウジ…
「本気!」
そう爽やかにウインクする。
「待ってよ、ダメだってっ」
「なんでー」
子供っぽくふてたようにぼやき、顔をしかめる瞬助。
「だって、せめてトイレ行かせてよ…」
「何?うんち?」
「バカっ!ッ…」
瞬助を突き飛ばしてベッドから降りるが…
腰に違和感を感じてへたり込んでしまう。
「ってーな、って大丈夫かよ!?」
瞬助はすぐ心配して近づく…
「……腰が、」
「昨日のがヨ過ぎて腰が抜けたとか?」
そんなことを囁く瞬助。
「…!」
その無神経なヤツの顔を無言で殴ろうと拳をあげる…
「っ!顔はやめろ顔は!跡が目立つ!」
その拳を片手で止めながらそんなことをいう無駄に男前なヤツ。
「なら怒らせるようなこといわないでよね!」
ムカつきながら言い返す。
「別に聞いただけだろ~つか、マジ大丈夫か?痛い?」
「…痛みも少しあるけど、なんか腰が重いっていうか…違和感ある」
「昨日の影響だよな…やっぱやりすぎた?」
「…はじめてなのに容赦なかったよね…」
恨めしく言ってみるが…
「悪かったって、久しぶりだったし止まらなかったんだよ~お前エロいし…」
あまり反省はしていない様子で勝手な言い訳をしている。
「僕のせいにする気!?」
「いや、でもなぁ男同士って引き際難しくねぇ?」
「知らないよ!そんなのっ」
無理やり振り切るように立ち上がるコウジ…
「おい、大丈夫か?ついていこうか?」
「平気!」
そう言い残して瞬助の部屋を後にする。
「……、腰…」
1人残され…ぽつりと呟く瞬助。
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