99 / 275
第99話
「…もぅ、バカッ!」
脱力感から怒る力もないコウジだが、一応言い返す。
「はは、一回だけって言ったコウジも悪い!」
コウジの髪をいじりながらそんな事を言う瞬助。
「そんな…っていうか、意味が違うでしょ…」
「さーてね、早くシャワー浴びて飯行かなきゃ間に合わないぜ」
そんなコウジから逃げるように起き上がり、ベッドサイドへ座って言う瞬助。
「なんでそんなに元気なの…」
そんな瞬助を見て呆れてつぶやく。
行為的には、瞬助の方が良く動いてた筈だけど…
清々しいほど元気一杯だ…
「ん?このくらいで疲れるかよ、陸上水泳部をなめんなよ」
「はぁ…」
「むしろ、コウジのエロい姿見てめちゃ快調だし!」
「意味不明…」
「つか、シャワー行こうぜ?」
「もう、先すませてきて…一緒には無理!」
「んだよ、付き合いわりーな」
「いや、むしろ朝っぱらから営みに付き合った僕を労ってよ…」
「コウジも楽しんでたくせに…」
「何?」
「べーつにー、なら先シャワー浴びるからな」
「はいはい…っ!?」
疲れ果てて、瞬助から視線を外して適当に答えるコウジだが…
不意に瞬助が近付いてきて、顎を持ち上げキスを仕掛けてくる。
驚くコウジ…
「っ…ん、ふ…ッ」
熱く情熱的なディープキス…
唇が離れると瞬助は…
「…こんくらい、すぐ慣れさせてやるよ」
耳元で囁く…
「はぁ?」
顔をしかめるコウジを見て…
不適に笑って部屋を出て行く瞬助だった。
《新たな朝》終
→《イロイロ》へ続く。
ともだちにシェアしよう!