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第101話
そして瞬助に言われて第二グラウンドまでやってくるコウジ…
第二グラウンドは陸上部専用でマラソン…幅跳び、砲丸投げや短距離走など様々な競技に使われている。
瞬助は一応短距離、ハードルの選手…
指定された場所に行くと…
ハードルを並べ飛ぶ選手の姿が何人か見える…
その中でも長身の瞬助はよりいっそう目立っている。
「はぁ…」
コウジは早くも見学に来たことを後悔してしまう。
確かにギャラリーはたくさんいた…
けれど…
(女子ばっかりだし!!)
周りは黄色い声援を送る女の子たちでいっぱいだった…
(少し観たら帰ろ…)
すぐ帰ったら何か言われそうだったので、もうしばらくこの環境を我慢する。
瞬助の様子を観ていると…
不意に瞬助がこちらに気付く…
瞳が合って…
爽やかな笑顔を向けて手を振ってくる。
すると周りの女子たちが、きゃーっ、と騒ぎ出す。
「なに?幸田くんが手を振ってくれた~」
「や~笑ってる!」
そんな女子たちの言葉を聞きながら…
「……」
帰りたい…
今すぐ回れ右をして帰りたい気分なコウジだったが…
あからさまに帰ったらあとが怖いし…
大声で呼び止められでもしたら…
そう考えたら、下手に動けない。
頭で思いつつ、仕方なく瞬助の様子を見る。
瞬助は練習に戻って真面目にしているようだ…
数人ずつ、スタートしてハードルを飛び越えている。
意外に速い…
綺麗なフォームでハードルをなんなく飛び越え、一番でゴールしている。
その度に、こちらにアピールしてくる瞬助を無視しつつ…
「……」
帰るタイミングを図る。
どうしようか俯いていると…
不意に、周りが急にざわつく…
「えっ、や、うそ!こっち来た!?」
「背高ーかっこいい~」
それを聞いてはっとして見ると、瞬助が水分補給しながらこちらに歩いてきていた…
「…!!」
あきらかに、コウジの所に歩んできている。
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