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第105話

「こんな手紙まで書いて…友達でいいとか…」 顔をしかめて言い返す。 「楠木君と友達になりたい」 しかし新明も諦めない…はっきり伝える。 「…そう言われても特定の友達はいるし、悪いけど…」 しつこい相手だが、なんとか断り続けるコウジ。 「そっか…友達でもだめか…」 少し俯いて呟く新明。 「だって、新明君…僕のこと友達以上の気持ち持ってるんでしょ?」 「……」 「僕はそういうの困るから…だから僕は諦めて」 そう頼むように言う。 「じゃ…諦めるから、最後に抱きしめさせてくれる?」 不意に新明は交換条件を言う。 「え!?それは…嫌だよ、しかもこんな場所で…」 チラッと後ろに隠れている瞬助の方を見てしまうコウジ… そんなことをさせたら、確実に瞬助が出てきそうだし… 「じゃ友達になってくれよ」 なおも引かない新明… 「…無理なんだって、本当に!」 狂犬が後ろで唸ってるし… 「…ちゃんと諦めるから、場所が気になるなら見えない場所で…」 そうコウジの腕を引く新明。 「ちょ…」 強引な相手に顔をしかめるコウジ… その頃、影から見守っていた瞬助は… 「何やってんだアイツ、さっさと終わらせろよな!」 今にも飛び出しそうな勢いで…イライラしながらやり取りを見ていた。 「無理って!ホントごめん!」 引き止める手を振り払って走って帰ろうとするコウジだが… 新明はその腕を掴み、無理やりコウジを引き寄せ…後ろからコウジに抱きつく… 「え、わっ!?」 コウジはびっくりして一瞬固まる… 「アイツっ!!」 隠れていた瞬助もたまらず跳びだそうとするが… 「…ッ!」 至近距離で他人に触れられゾクっとして、反射的に身体をよじり、新明の腕を掴んで背負い投げしてしまうコウジ… ドシン!! コウジよりでかいその身体は派手な音を立てて仰向けに落ちる。 「っ…はッ!ごめん、大丈夫?僕、武術習ってて無理矢理触られると反射的に反撃しちゃうんだ…」 またやってしまった、と我に返って謝って説明… 「っ…」 驚いて言葉が出ない新明… さらに隠れている瞬助もびっくりして口をあんぐりする。 「だから僕には近付かないで、本当に怪我させちゃうかもしれないから…ごめんね」 コウジは断ってもう一度謝り、その場を後にする。

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