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第106話
隠れてる瞬助のところまで戻って来て…
「はぁ、断ってきたよ、」
溜め息をつきながら報告。
「断るつーか…すげぇなお前…」
そう突っ込んでしまう瞬助。
「うるさい」
ちょっと恥ずかしくてツンと言い返す。
「いつもあんな断り方なのか…?」
「違うよ、でも無理矢理来たら身体が反射的に蹴ったり投げたりしちゃうんだ…そう教えられてるから」
拗ねたように言い訳する。
「あー、俺もはじめてキスした時とか蹴られたことあるな…でももう俺は大丈夫だろ?流石に…」
そう思い出し、そんな可愛いコウジに顔を寄せながら聞く瞬助。
「…それはね、うん…、瞬はもう平気になったから他の人でも平気かなって思ったけど…やっぱ抱きしめられて嫌だった」
再確認するように頷きながら答える。
「バカ、当たり前だろ!俺と比べんな、てかアイツ、コウジに抱きつくとか許せねぇ」
不意に怒り出す瞬助。
「瞬…でもわかったでしょ、気にしなくても僕は自分で断れるし撃退できるから」
瞬助と瞳を重ねながら言い聞かす…
「何言ってんだよ、抱きつかれたくせに」
「あれは仕方ないでしょ、急だったし…」
「いや、警戒心が薄いから抱きつかれんだよ、こんな風に」
瞬助は言いながらコウジを後ろから抱きしめる。
「ちょ、やめてよ!こんな場所で!」
慌てて逃れようとするコウジだが…
「消毒!お前に触れていいのは俺だけ!他の奴に易々触られんなよ!わかったか!」
瞬助はがっちり抱きしめて離さない…
そしてそんなことを言う。
「そんな…無茶な」
「無茶じゃない、お前が投げてなきゃぶん殴ってたぜ…」
「…わかった、気をつけるから離して…」
とりあえず、こんなところを誰かに見られたら…
その方が心配で、瞬助の言うことを聞くコウジ…
「うっし、じゃ次行こう」
瞬助は満足して歩き出す。
「行くって?」
首を傾げる。
「俺のも見てろ」
「いいよ、僕、先帰ってる」
「いいから来い!断る手本みせてやらぁ」
なんだか気合い入ってる瞬助。
「……」
仕方なくついていく…
(はぁ告白シーンなんか見たくないよ…)
コウジは大きな溜め息をついてしまう。
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