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第107話
約束の場所手前まで来てみるが、まだ人はいない…
どうやら時間が早いようで影で座って二人で待つことにする。
告白か…瞬は慣れてるんだよね。
それどころかキスとかもいっぱいしてきてるんだもんね…
「キスか…」
つい呟いてしまうコウジ…
「ん?してほしいのか?」
コウジの呟きを拾って、コウジの頬に触れてくる瞬助。
「違っ独り言!」
慌てて下がりながら首を振る。
「俺が居るのに独り言とはいい度胸だな」
少しムッとして、近付きながら言う瞬助。
「や、ちょっと…瞬は、ファーストキス覚えてる?」
瞬助の肩を押して止めながら、話を変える。
慌ててはぐらかしながら質問する。
「あ?そりゃ覚えてるぜ、膝蹴り入ったもんな~あれは痛かった!」
そう、思い出しながら笑う瞬助。
「違うよ!それは僕との初キスでしょ、瞬のファーストキスは?」
「…んな昔のこと覚えてねぇよ」
どうでもいいように答える。
「でも好きだったんでしょ?」
「だから昨日言ったように、俺から好きになったのはお前が初めてだって言ったろ、あの頃は好奇心と勢いでしたって感じだから」
そう説明する。
「…好きでもない人と出来てたんだ」
やや怪訝な顔で瞬助を見る。
「男ってそんなもんだろ?お前だって、俺とキスしてただろーが、あの頃から好きになってたのか?」
「それは…」
逆に言い返され言葉に詰まるコウジ。
「でも今は好きな奴できたから、そんなことはしないけどな…」
そう囁いて、軽くキスする瞬助…
「…しゅん」
「あ、いつの間にか来てるわ」
ふと見ると、2人の女子生徒が話しながら待っている。
「ホントだ…あのときの2人だ」
コウジも確認する。
「女子つーのはつるんでくるから嫌なんだよな、じゃ行ってくるからよく見てろ!」
やれやれとなりながらも、コウジに言って女子生徒のところへ向かう瞬助。
2人の女子生徒は瞬助の姿を確認すると、やや緊張したような様子で話しかけてくる。
「あ、先輩こんにちは、来てくれて有り難うございます!手紙書いたのはこの子、話聞いてあげてください」
そう、サポート役の女の子は促す。
「で、何?」
手紙をくれたという女子を見て淡白に言葉を待つ瞬助。
「あ、あの、手紙にも書きましたが、私、幸田先輩のことが好きなんです、付き合って頂けませんか!」
勇気を出して言い切る女子生徒だが…
「悪いけど、俺、付き合ってるヤツいるから」
その告白にはっきり断る。
「えっ」
驚く女子生徒2人。
「付き合ってるって、誰と?この学校の人ですか?」
サポート役の女子がすかさず聞いてくる。
「そこまで教えられないな、でも君とは付き合えない、諦めてくれる?」
さらっと受け流して、断る。
「…そんな、」
告白した子は、言葉を無くしているが…
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