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第110話
「はぁ…もう」
やはり強引な言い分の瞬助にやれやれとなりながらも…
「コウジ!?」
そうコウジを覗き込んで、返事を促す瞬助。
「はいはい、分かりました」
まぁ…今は想いが通じあえて、テンションあがってるんだろうから…
このテンションも、しばらくしたら落ち着くかな…
そう思って、頷くコウジ。
「よしっ、じゃ部屋行ってラブラブしよ~」
瞬助は満足したように頷き、コウジにキスを落としながら言う。
「ちょ、宿題続きやるんだからね!」
瞬助の束縛から抜け出しながら、そう注意する。
「んだよ、つれねぇな…」
そう顔をしかめる。
「勉強おろそかにしちゃダメ!」
「む~、じゃ勉強しながらラブラブしよ」
そう呟きながら、コウジの手を引き部屋に戻る瞬助。
「瞬!?」
マイペースな瞬助に、何度目かのため息をつきながら…仕方なしについて行くのだった。
そして、瞬助をなだめながら宿題を片付ける。
寮の食堂で夕食を済ませ、自室に戻る2人。
コウジは普通に自分に部屋に戻ろうとするが、瞬助もやはりついてくる。
「瞬…僕独りで勉強したいんだけど…」
自分の部屋に戻ってほしくて遠まわしに言ってみるが…
「どーぞ、わかんねぇトコ教えてやるよ」
そう普通に返事してついて来る瞬助。
自分の部屋に帰る気はないらしい…
「……もう、」
昨日晩から嫌と云うほど一緒にいるのに…
ちょっとげんなりしながらため息をつく。
もしかして…今日も一緒に寝るつもりなのかな…
少し嫌な予感がして聞いてしまう。
「というか、今日も一緒に寝る気じゃないよね?」
自室に入る手前で振り返り聞くコウジ。
「え?もちろんそのつもりだけど?」
「マジで…!?」
「んだよ、その嫌そうな顔…」
コウジの反応に首を傾げる瞬助。
「だって…狭いし、…する気でしょ?」
部屋に入り、勉強机に取りあえずつき、少し小声になりながらも聞き返す。
「ん?エッチ?そりゃするだろ?」
瞬助も付いて来て、顔をのぞき込むように聞いてくる。
「はぁ…」
大きくため息…
「なんだよ、恋人同士なんだからいいだろ?」
瞬助はコウジの態度を見て不服そうに答える。
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