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第112話
「じゃ…毎晩エッチしていいから、一緒に寝るのはやめてちゃんと部屋で寝てくれる?」
そうやんわり交渉してみるが…
「ん~、じゃお前が俺の部屋来い、んで一緒に寝たくなきゃ自分で部屋帰れよ」
瞬助はふいに考えて提案してくる。
「えっ…」
「一緒に寝たくねぇのはお前だからそうするのが自然だろ?」
そう促す瞬助…
「……」
まぁ…確かにそうだけど…
「風呂の後は毎晩俺の部屋に来い!」
コウジが考えている間に、もう決定事項のように言い切る。
「わかった…」
仕方なく頷くコウジ…
「でもせめて土日の前くらい一緒に朝まで寝てくれよ、付き合ってんだから…」
そう、コウジの髪にふれて、願いを伝えてくる…
「ん…じゃ土日前夜は瞬のとこで寝るよ」
結局、瞬助の言い分の方が通ってる気がしつつも、不納得気味だが頷く…
「よっしゃ!」
瞬助は至近距離で、嬉しそうに整った顔を微笑ませる。
「何でそんなに一緒にいたがるの?」
そんな表情に、ちょっとドキドキしてしまいながら…
悟られないように言葉を出すコウジ…
「そりゃ、コウジが好きだからに決まってんだろ!」
そう言いながら瞬助は、勉強机についているコウジを後ろから抱きしめ、首筋にキス。
「ちょっと、瞬!」
慌てるコウジだが…
「コウジに触れて幸せ~」
さらに耳たぶにキスを落としながらそんなことをマイペースに言っている。
「勉強させて…」
過剰なスキンシップに、コウジは再びげんなりしてぼやいてしまう…
そんなこんなで色々と瞬助の言動をセーブしながらも、2人の深いお付き合いは始まって行ったのだった…。
《イロイロ》終
→《三人の買い物》へ続く。
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