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第117話
「おい!人が歌ってる最中に何2人で話してんだよ」
歌い終えた瞬助が、やや不機嫌に話しかけてくる。
次はたくみが歌い始める。
「あ、ごめん聴いてたよ」
「ホントか?んで何の話?」
さっそく聞いてくる。
「この間、広井先輩に医療サークルに誘われたでしょ…」
仕方なく話し出すが…
「あれか、断れよ!」
すると、コウジが話し終わる前に瞬助が言う。
「えっ?なんで…」
驚くコウジ、首を傾げるが…
「別に行く理由ねぇだろ?」
「でも…先輩から話聞いたら少し興味でてきたから、行ってみてもいいかなって思えて」
そう答えるも…
「ダーメ、ちゃんと断ってこいよ、ったくそんな不特定多数が来る場所どんな誘惑があるかわかんねーんだから行かなくていい!しかも広井がいるならなおさら!」
瞬助は断固行かせない、と言い返してくる。
「でも…」
言い出したら聞かない瞬助、けれど行くつもりになっていたため、難色を示して首を傾げる。
「絶対ダメ!」
それを見てさらに強く言う瞬助。
「……わかった、一応断ってみるけど」
「一応じゃねー、ちゃんと断れよ」
歯切れの悪いコウジにそう言い聞かす。
「はぁ、言い出したら聞かない…」
やれやれと、ぽそっと呟き、ため息をついてしまう。
「なんか言った?」
首を傾げて聞いてくる。
「別に、さ、歌、歌!」
とりあえず、はぐらかしてこの話を終わりにするコウジ。
3人でカラオケを楽しみ、目的を達して、夕飯前に寮に帰り着く…。
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