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第120話

「はぁ、少しはひとりで待てないの?」 やれやれと息をつくコウジ。 「コウジがいないと暇なんだよ、出来たんなら持って行こうぜ」 そういいながら、紅茶とコーヒーを持ってコウジを呼ぶ。 「ん、ありがと」 運んでくれたのでお礼を言い、瞬助についていく。 部屋についてお茶したあと、予習の勉強を始めるコウジ。 それに付き添う瞬助。 「これは?」 「これは、こっちの値を先に出して、あとからこの数式を当てはめる」 「あ、そっか…」 「ややこしい時は簡単なものから潰していくのがいいな」 「ん、わかった」 いつもおちゃらけている瞬助だけど、勉強の時は結構真面目に教えてくれる。 しかも、分かりやすい。 だからついつい頼ってしまう。 「ふっ」 不意に笑う瞬助。 「え?何?間違えてる?」 「いやいや、指輪してるなぁ、って実感したら嬉しくなって…」 「瞬…」 「コウジは俺だけのもの、誰にも渡さない…その証!」 そう囁くと、コウジの柔らかい唇へKissを何度か落としていく… 「…んっ」 至近距離で、熱い吐息がかかり… 求める瞬助に促され、口を開き深いキスを交わす… 「…もう、こういうのは勉強終わってから」 離れて瞳を重ねたさいに、そう注意するコウジだが… 「なんで?」 「勉強に集中できなくなるから!」 「分かってるって…」 そう言いながらも、顔を近づけてくる。

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