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第139話

「はぁ?」 腹を抱えて笑い出す瞬助に、怪訝な顔で首を傾げるコウジだが… 「なんの夢見てたんだよ」 笑いを堪えながら聞く瞬助。 「ゆめなんか見てないし…寝言も言わないし…」 自分が寝言なんか言わないと思っているコウジはなかなか認めない… 「いーや!言った言った!よし、今度は動画撮るから…」 信じないコウジに証拠を見せようと思いつく瞬助。 「え…、寝言…?言わないと思うけど…」 そこまで言われると…覚えがないことだけど、少し自信がなくなる。 「ふっ、覚悟しとけ!」 ニッと笑ってコウジを抱きしめてキスする瞬助。 「もう、トイレ行って顏洗って来るから離して…」 イチャイチャしていたい瞬助だが、コウジは瞬助が朝からヤル気になったら困るので早々に離れる。 「へーい、いってらっしゃい」 仕方なく勉強に戻る瞬助。 コウジは朝の支度をして、自分の部屋に戻って、はめている指輪を外す。 瞬助が買ってくれたシルバーのチェーンにとりあえず通して…机の引き出しに片付ける。 さすがに学校には持って行けないから… 平日、瞬助は部活の朝練に行くので、すでに出掛けて行った。 コウジは、予習をしながら、モーニングティーをすすりつつ、静かな朝の時間が過ぎる。

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