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第141話

「それは…たくさん人が集まるところは緊張するし…」 「大丈夫、友達連れて来てもいいし、楠木に何かさせようってことはないから、サークルの様子を見て欲しいんだよ」 「……」 「それに…昨日サークルのみんなに楠木来ることも告知したから、来て欲しいんだけどな」 「そうなんですか…」 「いい経験になるから、来てくれよ、頼む楠木…」 拝むように頼む先輩を見ると断れなくなってきて… 「分かりました…でも友達呼んでいいですか?」 頷いて、了承するが1人では行けないのでそう頼んでみる。 「いいよ、ぜひ連れて来てくれよ」 「 はい。すみません、時間とってしまって」 先輩の返事に安心して、そろそろ帰ろうかと言葉をだすコウジだが… 「あ、楠木くんだ!」 「可愛い~」 そうしていると、3年の女子がコウジに興味を持って話しかけて来る。 「なんで楠木がここにいるんだ?」 さらに男子生徒も輪に入って来る。 「えっ、あの…」 3年生に取り囲まれてやや動揺するコウジ… 「あぁ、今度のサークル研究会に呼んでるんだ」 「そうなんだ~」 「広井いつの間に楠木と知り合ったんだよ」 「委員会が一緒だからな」 自慢気に答える広井。

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