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第142話
「それにしても可愛いな、160ないだろ…男子にみえねぇ」
コウジの顔を覗きこんで言う3年男子生徒…
「もったいねぇ…」
「頭なでていい?」
1人の女子生徒がそんなことを言い出す。
すると、あたしもー、と盛り上がりはじめる。
「いや、あのすみません!僕、帰ります先輩!」
3年生の勢いにおされながらも、なんとか脱出するコウジ…
「はは!おう、また水曜日な!」
広井は、そんなコウジを笑顔で見送る。
自分の教室にむかい歩きながらため息をつくコウジ…
「はぁ…結局断れなかった…」
でも仕方ないよね…
行くって言っちゃったんだもん…
瞬助は怒りそうだけど…
たくみと参加しよ…
本日の授業を全て終えて、寮に帰るコウジ。
たくみと瞬助は部活をしてから帰宅するから寮までは1人で帰る。
校門を出た所で不意に呼び止められる。
「楠木先輩!教えてください!」
一年生の女子2人組。
「えっ、なに?」
「幸田先輩が他校の女子と付き合ってるって本当ですか!?」
「しかも、茶髪の美人スポーツ特待生の外国人って本当ですか!?」
「えっ…と」
一日でそうゆうことになってんだぁ…
あまりに話が大きくなっていて、思わず笑ってしまいそうになるが…
「本人に聞かないの?」
平静を装い聞いてみる。
「一年だと、幸田先輩に気軽に話しに行けないんです」
「ん…僕もそんなに詳しく知らないから…また聞いとくよ」
とりあえず、瞬助と話を合わせた方がよさそうなのでそう答える。
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