「でも、恋人がいるのは確かなんですよね」 「あ、うん…そうみたいだね」 それは自分なんだけど… かなり気まずくて早く帰りたいコウジだったが、女子たちはなかなか離してくれない… 次々質問して来る。 「幸田先輩、休みの日、外出するときって何時くらいですか？」 「それは…プライベートなことまでは話せないな、幸田に怒られるから、ごめんね」 「そんな…じゃ」 また質問しようとする女子だが… 「僕、もう帰らなきゃ…」 なんとか、先に切り出す。 「あ、すみません…先輩、また教えてくださいね」 「はは…」 みんなの恋敵な位置で… 僕としてはかなり気まずいんですけど… ……僕、結構すごいひとと付き合ってるのかも… 普段はおバカ過ぎて気付かないけど… 今日のことで、改めて実感するコウジだった。 夕食後、やはり一緒に過ごしている瞬助とコウジ。 コウジの部屋で宿題中。 「今日凄かったね」 「ん？」 「ファンの娘たち…」 朝から凄い群がってたから… 「あぁ、なんか勝手に噂が一人歩きしてたな…」 「他校に外人の彼女ができたとか…」 「まあ、勝手に言わせとけよ」 いつもながらあまり気にしていない様子の瞬助、さらっとこたえる。 「でも、聞かれた時にある程度、答えられるように統一しときたいんだけど…」 「ん？まんまでいいだろ」 「どういうコト？」 瞬助に首をかしげ聞きかえす。