162 / 275
第162話
「朝ですよー当番だろー」
しかし、帰ってくるのは静寂のみ…
「……」
普通に起こすのは危険…
でも起こさなくては…
「…よし、コウジ!起きよう!」
瞬助は意を決して、布団を穿いで、コウジの両手を持って引っ張り起こしながら声をかける。
「っ…は?えっ…」
さすがに急に引っ張り起こされ、眠っていたコウジも目を覚ます…
まだ状況が理解できていない様子のコウジだが…
「おはよ、コウジ…朝!当番だろ!」
「……あ、そっか、おはよう」
また、瞬助のところだ…しかも今日は早起きの日…
目をこすり、ようやく状況を理解して、瞬助にあいさつする。
「もう寝ぼけてない?」
ちゅっ、と、おはようのキスをしながら聞く瞬助…
「え?…どういうこと?」
「さっき、起こそうとしたら…お前に肘打ち食らわされた…」
「えっ?嘘…」
「嘘じゃねぇよ、すげぇ痛かったんだからな」
「え…、ご、ごめん」
記憶にないことだけれど、素直に謝るコウジ…
「ま、いいけど、仕度しないと間に合わなくなるぜ!」
ともだちにシェアしよう!