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第164話

「そういや幸田、彼女できたんだってな」 不意に広井が聞いてくる。 「はあ、まぁ…」 この話題は昨日嫌というほどしているので、やや面倒くさそうに答える瞬助… 「うちのクラスの女子も騒いでたぞ」 「まあ、今だけっすよ」 「てか、指輪はめて行ったら騒ぎになるとか考えなかったのか?」 「そーっすね、特には…女よけになればって思ってただけっすから」 「かー、嫌味だよな楠木、彼女持ちの言うことは!」 「えっ、あ…そうですね」 「って、もしかして楠木も彼女いるとか!?」 コウジの反応を見て広井は驚いたように聞く。 「えっ、僕はいないです」 彼女は…ね。 「だよな…楠木にも先越されたらた立ちなおれねーわ」 そう笑う広井… 「先輩…それどういう意味ですか…」 そう睨んでみる… 「いやいや、あ、日曜は一応13時に校門前集合な!」 広井は誤魔化しながら話を変える。 「あ、はい…あの、幸田と、もう一人友達連れて行きたいんですけど大丈夫ですか?」 一応、たくみと瞬助のことを確認するコウジ。 「お、マジ?もちろん来てくれよ、助かる!」 「僕ら何もできませんよ?」 コウジは首を傾げるが… 「いやいや、いるだけでいいから!お前らの客寄せ効果は半端ないから!」 ぽろっと本音が零れる広井。 「やっぱそういう感じっすか…」 瞬助もややげんなりする… 「悪い意味じゃないぜ、大学生の研究発表とか聞くのも勉強になるしな!日曜はよろしく!」 なんだか…やる気満々な広井、笑顔で頼む。 「はい…」 気乗りはしないものの、広井も楽しみにしているため、頑張って参加しようと思うコウジだった。 《いつもの朝と夜》終。 《サークル参加》に続く。

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