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第45話 キスの先③

「俺のこと想像して、一人でしたことある?」和樹の手が、涼矢のズボンのファスナーをおろした。涼矢はそこで観念したように抵抗をやめたが、返事はしなかった。「俺に触りたいって思ってた?」和樹はゆっくりと、下着の上から涼矢の下腹部に触れた。 「おまえ、女とやる時も、そんななの?」少し悔しそうに涼矢が言う。 「女の子にそんな下品なこと言わないよ。」涼矢の股間をさするのを続けながら、和樹は再び乳首を舌で転がしはじめた。 「……ひでえ。」涼矢の呼吸の間隔が短くなる。 「女の子は、小さくて柔らかいからね。優しくしてあげなくちゃ。」 「悪かったな。だったらもうやめろよ。俺相手にサカるな。」 「やめていいの?」下着の上からでもはっきりと勃起しているのがわかる涼矢のそこを、和樹は強めにしごいた。「こんなになってるけど?」 「やっ……。」涼矢の体がビクリとしなった。 「俺ね、好きな相手としかやらないよ。やるだけの女とか要らない。今は涼矢としたい。」和樹は涼矢のズボンを下着ごと膝までおろした。「ちゃんと、気持ち良くしてやるから。」和樹は涼矢のそれを、今度は直に握る。 「おい、ちょっと、何すん……。だめだって…そんな…されたら……。」初めて他人に触られるという慣れない刺激に、涼矢はすぐに反応した。「……やめろって……。」和樹は手を止め、その代わりに舌先で刺激しはじめた。「和樹、いいよ、やめて、そんなこと……すんな……。」涼矢は必死で和樹を自分の下半身から離そうとした。それでも和樹は涼矢をくわえて離さない。「ダメだよ、出ちゃう……」  一瞬口を離して「どうぞ。」とだけ言うと、和樹は再び涼矢のそれをくわえた。間もなく涼矢は小さくうめいて、和樹の口の中に迸らせた。「ごめん。」と涼矢が呟くように言った。「口、すすいできなよ。洗面所は下に……。」 「平気。」他人の精液を飲んだのは初めてのことだが、逆の立場の経験なら散々ある身としては、それを嫌がることは、どこか不誠実な気がした。「それよりなんで謝るの。謝るとしたら、俺のほうでしょ。ちょっと意地悪だったよね。」 「でも……。」 「なぁ、こんなことしても、俺のこと、好き?」和樹の問いかけに、涼矢は黙ってうなずいた。「だったら」和樹は涼矢の手を、自分の股間にあてた。「俺はまだイってない。手伝ってくれる?」  涼矢はコクコクと細かく何度もうなずいた。 「触って。」和樹はジーンズを脱いでボクサーパンツ一枚になると、涼矢の前に上半身を起こした状態で座り、開脚した。涼矢は恐る恐る和樹の股間に手を伸ばした。「直接。」涼矢は和樹の下着の中に手を入れた。「自分でする時みたいに、して。」  涼矢はぎくしゃくした手つきで和樹に触れた。「自分でする時みたいに」と言われても、向き合って他人のものを触るのとは勝手が違う。それでも、しばらくしごいていると、だんだん硬さを増していった。和樹の口から「うっ」や「はっ」といった喘ぎが漏れてくる。「俺も…口で……しようか?」 「ううん。そのまま手で触って。涼矢の顔、見ていたい。」和樹の言葉に、涼矢は耳まで赤く染めた。「涼矢、好きって言って。」 「好き。」 「目、そらさないで。こっち見て、言って。」

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