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第66話 ずっと。③

「それまで、毎日会いに来てもいい?」 「いいけど……。無理しないでいいよ。」 「そうだ、水族館も行くか?」 「和樹は? 行きたい?」 「俺は、二人でこうしていちゃついているほうがいい。」 「欲望に正直だな。」涼矢は和樹の裸の胸に頬を寄せた。「でも確かに……人肌って気持ちいい。」 「うん。」 「心臓の音が聞こえる。」 「ドキドキしてるだろ。」 「そうでもないよ。」 「結構緊張してるけどな。」 「よく言うよ。慣れてるくせに。」 「慣れてないよ。男とつきあったことなんかないもの。」 「悪かったね。」 「そういう意味じゃないよ。誰と付き合ったって、相手が違えば初めてのことは初めてだし、緊張もするって。」和樹は涼矢の前髪をもてあそぶようにかきあげながら言った。「涼矢。男なのにごめんとか、黒歴史とか言うの、やめない? ていうか、やめてほしい。俺のこと好きって気持ちを、そんな風に卑屈に言われるのは、あんまり良い気持ちしない。」 「……ごめん。」涼矢は和樹の胸の上から体を起こして、離れようとした。和樹はそれを阻止して、さらに強く抱き寄せた。 「俺、ちゃんと、涼矢のこと好きだから。どうせ無理とか、一時的なものだとか、言わないでほしいってことだよ。」 「うん。」

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