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愛しさのかたち7

「愛菜、明日も学校があることだし、これ以上は遅くなるから、駅まで送って行く。ママが迎えに来てくれるそうだ」 「そんな……」  悲しげな表情をありありと浮かべた愛菜を見て、竜馬がそっと手を握りしめた。 「また来たらいいよ。そのときは事前に、きちんとパパとママの許可をもらってからじゃないとダメだけどね」  その言葉を聞き、愛菜は小林の顔を見やる。 「今日みたいな平日にいきなり来られても、留守しにしていることが多い。今日はたまたま竜馬がいたからよかったが、いつも来てるわけじゃないしな」 「そういうこと。わかったかな?」  竜馬は小林を見つめる愛菜に視線を飛ばしながら訊ねると、まぶたを伏せて俯いたまま口を開く。 「……竜馬に逢いたいときは、どうしたらいい?」  予想をしていない問いかけをされて、竜馬と小林は同時に顔を見合わせた。互いの目が驚きと同時に、困惑の色を浮かべているのを確認する。 「りょ、竜馬に逢いたいって愛菜、それって――」 「小林さんっ、ストップです!」 「なんでストップかけるんだ、親としては聞いておきたいことだろ!」 「とにかく、頭の中を真っ白にしてくださいっ」  頭を指差しながらキツく言い放った竜馬の言葉に、小林は眉間に皺を寄せて押し黙った。 「愛菜ちゃん、俺に逢いたいってもしかして、今日一緒に料理を作ったのが楽しかったのかな?」  あてはまりそうなことを告げてみたら、伏せていたまぶたをあげるなり、喜びを示すように唇を綻ばせた。 「うん! 愛菜がお料理することは危ないからって、ママが許してくれないんだ。だから竜馬と一緒にオムライスを作ったのが、すっごく嬉しかったの」 「なんだ、そんなことか……」 「小林さんっ!」  咳払いをして牽制した竜馬に、小林はビクッと躰を震わせる。

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