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第7話
「慣らすよ」
その言葉と共に後ろに感じる冷たさ。昨日も彼を受け入れたそこは、少しの痛みを伴いながらも簡単に彼の指を飲み込む。
「っ、あっ、そこやだっ……!」
僕の体の中を把握しきっている彼は、より大きな快感を引き出す一点を集中的に責める。
「勃ってきた」
彼はそう言って、後ろに入っているのとは反対の手で前も弄りだす。自分のがどんどん硬くなっていくのが、嫌でも分かった。
「んっ……やっ……」
早く、終わってくれ。
「そろそろいいかな」
まるで心の声が届いたかのように、静かな教室に衣服の落ちる音が響く。
「ナカ、入るからね」
そう耳元で呟かれたすぐ後に、身体を駆け巡る不快感。
「痛っ、やだぁっ!!」
この時間が、この時のユウが一番嫌いだ。
彼の鋭い目が僕を捉える。
その目は、僕が『餌』にすぎないのだと語りかける。そこに愛なんてない。ただ、本能がそうさせるだけ。
そう意識すれば、ぎゅっと胸が締め付けられる。それでも快感はやまなくて。
「あんっ、あぁぁぁっ!!」
「リョウ、良……!」
……その余裕のない声もきっと全部偽物なんだと知っているから。
だから僕は彼に抱かれながら、僕にも彼にもいつか愛のある形でこんなことが出来る人が現れることを願うんだ。
「……んっ……」
思わずといったように漏れた声と共に、彼の熱い欲望が流れ込む。
「……ははっ、ごめんね。出しちゃった」
全く悪びれもせず笑う彼。やっと拘束は解かれたものの、無理な姿勢で無理なことをした後には普通の感覚に戻ることは難しい。
「帰ろうか」
それを知っている彼は、僕の身体をふわりと抱き抱えた。
全部お見通しだとでも言うような、その余裕な表情が憎らしい。
「なん、で」
どうしてこんなことをしたんだ。学校だけは安全だと、唯一安心できる場所だと思っていたのに。それくらいは僕に気を遣ってくれているのだと、感謝すらしていたのに。
「……ごめん」
彼はその問いには答えず、何に対してか分からない謝罪を一言発するだけだった。
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