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第5話

「はい、どうぞ こんなものしかなくてごめんなさい」 「別に気を使わなくて大丈夫なのに」 飛鳥は母親が帰ってきたときのために 買っておいたインスタントコーヒーを 司に渡した テーブルを挟んで向かい合うように座る しかし本当にかっこいい 本当に同じ兄弟なのかと思うほどだ 「あの、おにい…… 兄さんは何をしてるの?」 「あれ、お兄ちゃんって呼んでくんねぇの?」 「い、言わない……」 「残念、可愛かったのに まぁいいや、てか本当に知らね?」 「ごめんなさい……」 恥ずかしながらテレビなんてないし 学校でもそう言う話する友達いないし バイトで忙しいから そう言うのに着いていけない 申し訳ないと思う 「いいよそんな顔すんな 今俺モデルと歌手やってる それなりに売れてると思う」 「そうなんだ凄いね 家族に芸能人がいるなんて誇りだよ」 「はは、そう言ってくれると嬉しい」 自分とは違って光の当たる世界にいる兄 羨ましいと思う でも兄が幸せで良かったと飛鳥は 嬉しかった

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